まずは下の写真をご覧ください。レッドブルRB18のフロントセクション、フロアを支えているパーツです。どうみても完全固定されているのではなくストロークしそうな形状です。元々モノコックの前側バルクヘッド下は重量配分のためのバラストを搭載するエリア。タングステンなど比重の重い金属をここに置き、なおかつそれを制震することで車体の振動数を調整する狙いがあるのかもしれません。
それにフロアにおいては200km/h時に2トンとも言われる強大なダウンフォースのかなりの部分を稼ぎ出しているので、それを支えてしっかりモノコックに伝えなければいけません。興味深いのはこのエリアの支持方法がフェラーリ、メルセデス、それぞれ異なっている点です。新規定初年度ということもあり考え方が分かれたとも考えられます。
10月29日(木)発売のauto sport11月号(No.1577)は、フォーミュラ特集としてF1と全日本スーパーフォーミュラ選手権を扱っています。上記はその一部、スパイショットの読み解きをデザイナーと技術系ジャーナリストのお三人にお願いしました。クルマを作る立場でないと分からない、デザインの意図や規定の制約などについて、ポーパシング、パッケージ、サスペンションという3つのテーマに分けて語ってもらいました。
さらに空力についてはスーパーGT GT500クラスの空力開発責任者に読み解いてもらいます。F1新規定で一番重要なフロア、床下について実は、規定上自由度があり、チームごと考え方も形状も大きく異なることが見えてきました。しかし、最もチームが秘匿したい場所でもあり、資料は少なく、悩みながらも仮説を立たてていただきました。解説は今季最注目、ニッサンZ GT500の空力開発を担当した山本義隆氏です。
どちらの企画も、写真から構造を頭のなかで想像しつつ読み進めないと、けっこう難しい内容ですが、F1日本GP前の予習用としてぜひご購読ください。
スーパーフォーミュラでは新型開発車両のコンセプトについて取材しました。エアロを変えることでオーバーテイクを容易にする。ここまでの話は既出ですが、それだけでなくエアロ開発には意図があります。そこに本誌は着目しました。狙いどおりにいけば、決勝はもちろん、予選も含めてもっとスーパーフォーミュラがエキサイティングになりそうです。
それ以外にも10月末のスーパーフォーミュラ最終ラウンドに向けて、気持ちを高めるネタを集めましたのでご購読よろしくお願いします。
■autosport 2022年11月号(No.1577)
9月29日(木)発売
定価1200円(税込)
https://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=12527