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F1 ニュース

投稿日: 2022.10.09 01:30
更新日: 2022.10.18 10:48

【F1日本GP特別コラム/山本尚貴】思い出す角田裕毅との講師時代のエピソード。F1鈴鹿での再訪と旧友たち【前編】

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F1 | 【F1日本GP特別コラム/山本尚貴】思い出す角田裕毅との講師時代のエピソード。F1鈴鹿での再訪と旧友たち【前編】

 スーパーフォーミュラ、スーパーGTでチャンピオンに輝いた山本尚貴。現役の国内ドライバーが3年ぶりのF1日本GP、そして今年の新規定のF1マシン、現役のF1ドライバーをどのように見るのか。オートスポーツwebならではの、日本GPスペシャル企画第1弾をお届けします。

   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

 みなさん、こんにちは。レーシングドライバーの山本尚貴です。今回、オートスポーツwebさんの取材依頼で、F1日本GPの予選日にコースサイドで走りを見て、今のF1マシン、ドライビングについて解説してほしいという依頼を頂きましたが、まったくもって、外から見てクルマの個々の動きがわかるほど、自分の見方に自信がありません(苦笑)。

 ですが、コースサイドでF1マシンの走りを見ることができるのは非常に貴重な経験になりますし、トップカテゴリーに上がると、外からクルマの走りを見る機会はあまりないので、貴重な機会だと思い、依頼されたハードルは高いですが、コースサイドで見て感じたことを伝えさせてもらいたいなと思います。

 そもそもですが今回、F1日本GPに僕が来たのは、HRC(ホンダ・レーシング株式会社)の40周年記念イベント、そしてタイトルスポンサーがホンダということで、スーパーGTのGT500クラスでチャンピオンを獲得した2018年のRAYBRIG NSX-GTのデモランを担当することになり、金曜からの3日間、鈴鹿に来場しました。そのなかで、オートスポーツwebさんからの依頼を頂いたわけですが、今までそういう解説をしたことがないので、まったく不安です(笑)。

2022年F1第18戦日本GP 山本尚貴
日本GPの日曜までの3日間、2018年のチャンピオンマシン、RAYBRIG NSX-GTをドライブ

 まずは予選の前に、この日本GPではひさびさの方などたくさんの人に再会できることになりました。デモランの時には(佐藤)琢磨選手といろいろお話させて頂きました。コース上では演出の部分を含めて打ち合わせをしていたのですが、土曜日の走行では結果的に送り出すタイミングが早すぎて、最後は(1965年F1メキシコGP優勝のホンダRA272をドライブする)琢磨さんと並走する予定だったのですけど、走っていても琢磨さんがどこにも見えなくて、全然、打ち合わせどおりに行きませんでした(笑)。ですので、日曜日(10:15~)の走行では、きちんとギャップを考えて走りたいです。

2022年F1第18戦日本GP 山本尚貴
デモランで佐藤琢磨と打ち合わせする山本尚貴

 デモランの機会を頂けたことは、非常にうれしく思っています。今年、四輪のモータースポーツがHRCに統合されて、HRCとして再ブランディングが必要な初年度に、こういったスーパーGTで自分がチャンピオンを獲ったマシンで、ホンダがタイトルスポンサーとなったこのF1日本GPを走る機会を頂くというのは、誰もができることではないので非常に光栄です。

 しかも、自分がはじめてスーパーGTでタイトルを獲った2018年の時のパートナー(JB/ジェンソン・バトン)が、デモランの時に同じサーキットにいました。乗り終わってクルマを降りたときに「ナオキ!」って大きな声で呼びかけられて、どこのファンの方かなと思ったらJBがピットウォールで大きく手を振ってくれていました。一緒に戦った2019年以来、なかなか会える機会がなかったので、僕もひざびさに会えてうれしかったです。

2022年F1第18戦日本GP 山本尚貴
デモラン後にはジェンソン・バトンが山本の元へ駆けつけた

 JBはイギリスのSKYスポーツのF1コメンテーターとして鈴鹿に来ていたのですが、僕が走ることを知らなかったみたいで、モニターの中継でRAYBRIGのマシンが走っているのを見て、駆けつけてくれたみたいです。JBも乗っていたクルマなので、僕も『ドライバー交代で待ってるよ』と言ったら、彼は笑っていましたね。

 そのあと、パドックでは同じホンダ陣営としてスーパーGTで走っていた(ロイック)デュバル(フランスの放送局でF1を解説)とも遇うことができました。ロイックとは国内と海外のレース事情とかの話をしていました。ロイックもジェンソンも口を揃えて『またオファーがあったらスーパーGTに乗りたい』と言っていましたね。

2022年F1第18戦日本GP 山本尚貴
フランスのF1解説を務めるロイック・デュバルとパドックで遭遇

 やっぱり、スーパーGTのコンペティション、特にタイヤのコンペティションがあるというのは多くの興味を引いていますよね。今の時代背景的なものもあって、世界的にどのカテゴリーでもシャシー、エンジン、タイヤもワンメイクになってきているなかで、タイヤがマルチメイクのカテゴリーは日本にしかないような状況ですからね。

 F1は車体もエンジンもコンペティションですけど、やっぱりタイヤはレースを面白くする重要な要素ですし、タイヤもマルチメイクはスーパーGTが一番なくしてはいけないものなのかなあと、改めて思いましたね。逆に、それだけF1村の人たちも日本のレースのことを気にしているし、知っている。

 アルファタウリの外国人メカニックさんからも『(スーパーフォーミュラ第7戦)もてぎの優勝おめでとう!』と言ってくれて、結構、嬉しかったです。F1に来ている人たちも日本のレースのことを気にしてくれているし、見てくれている人がいる。国内だけを盛り上げるというよりも、いろいろな国の人が見てくれていることも常に意識しないといけないなあと感じましたね。

 それから(フランツ)トストさん(アルファタウリ代表)とか、(ヘルムート)マルコさん(レッドブル・モータースポーツアドバイザー)とも挨拶ができましたし、金曜午後のFP2ではアルファタウリのピット内でセッションを見させて頂きました。ピエール(ガスリー)も途中で気づいてくれて、こちらに来てくれて、挨拶だけでしたけど遇うことができました。

●生徒と講師の関係だった角田裕毅と山本尚貴。F1ドライバーになっても変わらなかった角田の武器


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