F1日本GP決勝中の事故車両回収車の出動のタイミングについて、ドライバーたちが激しく批判、これを受け、FIAは今後の改善のために「徹底的な調査」を開始したと述べた。カルロス・サインツがオープニングラップでクラッシュし、セーフティカーが導入された。激しい雨で視界が非常に悪いなか、F1マシンがまだ走行している段階で、トラックがコース上に出ていたことに、複数のドライバーたちが非常に危険であるとして怒りを示した。ドライバーたちは前がほとんど見えない状態で走っており、濡れた路面でコントロールを失いやすかったため、クレーンにぶつかり大事故が起きる可能性があったからだ。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ)は、トラックのそばを通りかかった後、無線で「コース上にいるこのトラクターは何だ? 今その横を通った。こんなこと受け入れられない。過去に何が起きたのか覚えているだろう。信じられないよ!」と憤った。
過去に起きたこと、というのは2014年日本GPでのジュール・ビアンキの事故のことだ。ビアンキは雨のなか、コースアウトし、ランオフエリアに出ていたクレーン車に衝突、頭部に重傷を負った。この時、クレーン車はその前にクラッシュしたエイドリアン・スーティルのマシンを撤去しようとしていた。ビアンキはこの時の怪我により、2015年に母国フランスで死亡した。
ガスリーはレース後、SNSを通して「今夜、無事に帰ることができてよかった。ジュールと彼の家族、僕たちの安全性、マーシャルの人たちの安全性を尊重し、これほど視界が悪い状況で、トラクターやマーシャルをコース上に出してはならない」とコメントした。
トラックのそばを通過した際に懸念を示していたセルジオ・ペレス(レッドブル)も、SNSを通して、次のようにコメントしている。
「僕たちが絶対にコース上でクレーンを見たくないのだということを、どうすればはっきり理解してもらえるのだろう? 僕たちはジュールをあのミスによって失った」
「今日起きたことは全く受け入れられない!!!!! コース上でクレーンを目にするのはこれが最後であることを願う」
ランド・ノリス(マクラーレン)は、「なんてことだ! なぜこんなことが起きた? 数年前に同じ状況で命が失われたのに。(コース上で)僕たちは命を危険にさらしている。こういうコンディションでは特にそうだ。レースをしたいと思うが、これは……受け入れられない」とSNSに投稿した。