全日程が終了したF1合同テストは、総合ワン・ツーをフェラーリのキミ・ライコネンとセバスチャン・ベッテルが占め、メルセデスのバルテリ・ボッタスが3番手という結果に終わった(2016年、この位置にいたのはニコ・ロズベルグ)。
つまり、トップ3を占めたチームと序列は16年とまったく一緒だ。1年前はテストでの好調ぶりにフェラーリ躍進の話題が広まり、チーム首脳も打倒メルセデスを宣言。しかし、16年シーズンの結末はご存知のとおりだった……。いまは一喜一憂を戒めつつ、第2回プレシーズンテストをレビューしてみたい。
■アップデート不発? 王者メルセデスはなぜ伸び悩んだか
メルセデスは16年、8日間のテストで合計6024Kmを走破したが、17年は5102Kmと1000Km近く少ない。ボッタスが8日間で最多の628周を周回したが、これも16年にロズベルグが周回した656周より28周少なかった。彼らは他チームとの比較ではトップの走行距離だが、3レース分に及ばない走行距離は気になるところだ。2回目のテストでは、チームが想定していたプログラムをすべてカバーすることができなかった。
ドライバーふたりのコメントを深読みすると、ルイス・ハミルトンの表現が微妙に変化していくことがわかる。初回のテストでは「マシンはもうサイコー、他よりも1000倍くらい良い」と絶賛。
それが徐々にトーンダウンしていき、テスト最終日の自己ベストタイムが1分19秒352にとどまり「開幕までに改善するところがある」とコメントが変化。アップデートの効果を感じられず、普段は控えめなボッタスも、暗にそれを認めた。