世界の自動車産業を支える基幹サプライヤーであり、技術的側面をリードする企業としてモータースポーツ界でも存在感を発揮してきたBOSCH（ボッシュ）が、世界が直面する新型コロナウイルス（COVID-19）感染症の流行拡大を阻止するべく『迅速検査システム』を開発したと発表。この新システムにより診療所、病院、検査施設および保健所などの医療施設を支援することを目指している。
世界中のモータースポーツ・カテゴリーで主要部品を供給し、日本のスーパーGTでもGT500クラスを例に挙げれば、エンジンの共通指定部品となる高圧・低圧の燃料ポンプや直噴用インジェクター、そして2020年からは全体のエンジン制御をつかさどるECUにも同社製品が採用されている。
そのボッシュが新たに開発した新型コロナウイルス感染症完全自動迅速検査システムは、各国の医療機関での迅速な診断に役立てることを目指すとともに、 多くの国における爆発的拡大の抑制に貢献するシステムとして期待されている。
「私たちはボッシュの迅速検査システムが、コロナウイルスの世界的流行の食い止めに出来るだけ早く貢献することを望んでいます。この検査システムにより、感染した患者の特定と隔離が加速するでしょう」と語るのは、 ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長のフォルクマル・デナー。
世界保健機関（WHO）の要件を満たしたこのシステムは、10種類の呼吸器病原体の同時診断が可能で、6週間で開発した迅速検査により検体採取からわずか2時間半以内に、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス（SARS-CoV-2）の検出結果が判明する。
また、臨床現場で直接実施できるためウイルス検体の輸送が不要となり、感染者の特定や迅速な隔離が可能になると同時に、患者が自分の健康状態について素早く確実に把握することができるようになるという。
現在の検査では通常、患者に検査結果が通知されるまでに1日から2日を要しているが、「コロナウイルスとの戦いでは時間が非常に重要です。現場で確実かつ素早い診断を直接行えることは、私たちのソリューションの大きな利点であり（社是である）『Invented for life』テクノロジーそのものです」と語るデナー会長。
