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投稿日: 2024.07.03 12:48
更新日: 2024.07.03 12:57

史上初5回の延長決着を生き残り“燃料切れ”ジョーイ・ロガーノが息継ぎの勝利/NASCAR第19戦


海外レース他 | 史上初5回の延長決着を生き残り“燃料切れ”ジョーイ・ロガーノが息継ぎの勝利/NASCAR第19戦

 シリーズ史上初、実に5回のオーバータイム決着に持ち込まれた2024年NASCARカップシリーズ第19戦『アリー400』は、燃料切れでエンジンが息継ぎを起こしながらもチェッカーを受けたジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が、大逆転を決めて今季初優勝を達成。リスタートごとに主役が入れ替わるなか、予選26番手、延長当初7番手からのプレーオフ進出を決める重要な勝利を手にした。

 レギュラーシーズンも残りわずか。6月最後の週末にナッシュビル・スーパースピードウェイで開催された1戦は、走り出しのFPからトヨタ陣営が先行する展開に。ここで最速を記録したタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)に続き、予選ではデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)がポールウイナーに輝くことに。

 そのハムリンも決勝では70周のリードラップを刻んだが、序盤からレースを牽引したのは前戦ウイナーのクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)で、両ステージを制覇してレースハイの130周をリードしてみせる。

 そのままトヨタ勢による勝負が続くと思われたファイナルステージを前に、トラック上には雷雲が接近したことからNASCARの運営側はライトニング・コーションを発令。するとその直後に豪雨が路面を濡らし、ここから1時間20分の赤旗中断へと突入する。これが終盤の波乱を巻き起こす最大要因となり、フューエルウインドウが約80周の1.33マイルでは、レース再開以降に次々とアクシデントが連鎖していく。

 ここでライリー・ハーヴェスト(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)やエリック・ジョーンズ(レガシー・モーター・クラブ/トヨタ・カムリXSE)、さらにはチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)までもが並走集団のなかで姿勢を乱し勝負権を失うと、そのエリオットから遅れることわずか数周。局面が大きく動く事態が発生する。

 残り73周で新品タイヤセット交換直後に中団を走行していたベルのカムリXSEは、ターン2でタイヤが外れ「ステアリングが効かず」リヤからウォールに激突。これで圧倒的な支配力で隊列を牽引した20号車トヨタがレースを去ることに。

 さらに残り58周でブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)がクラッシュすると、最終盤には“犬猿の仲”ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)を仕留めたハムリンが、自力でトップランを奪い残り2周までレースをコントロールしていく。

 このまま“トヨタの日”として締め括られるかと思われたレースは、直後にオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が接触からバックストレッチでスピンを喫し、ここで延長戦突入が決定する。

予選ではデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)がポールウイナーに輝くと、決勝序盤は前戦ウイナーのクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が牽引する
カントリーの名曲『Fast Car』のカバーで大ヒットを記録したルーク・コムズ(右下)も来場した1戦は、急な悪天候で風雲急を告げる
赤旗再開後も、ベルのカムリXSEが隊列を牽引。一時はJGR/23XI艦隊がトップ4を形成する
残り73周で新品タイヤセット交換直後に中団を走行していたベルの20号車は、ターン2でタイヤが外れ万事休す

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