佐藤琢磨がインディ500予選初日に2番手タイム、翌日ポールデーのファスト9で総合4番手のグリッドを獲得し、過去日本人最高のグリッドについた。
予選を終了した段階で、琢磨とアンドレッティ・オートスポートの好調は十分にうかがい知れたし、フェルナンド・アロンソ出場のニュースも合間って、今年のインディ500決勝はスタート前から期待するに十分だった。
■序盤のペースダウンは想定通り
雨予報もありながら、レースは定刻通りにスタートすると、琢磨はやや順位を落として序盤のレースを展開していく。
「チームメイトのダウンフォースレベルを知っていたので、序盤のペースはわかっていましたし、想定通りでした。カナーンが急にきたのはびっくりしましたけどね(笑)」
途中、ジェイ・ハワード(シュミット・ピーターソン)とスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)の大クラッシュがあり、赤旗で一時中断となる波乱の序盤。
レース再開後は、ピットインで手間取り一時16~17番手まで琢磨は落ちることになる。
琢磨は、諦める事なくポジションを少しづつ上げていき、レース半ば100周あたりまでにトップ10内に戻ってきた。冷静沈着なレース運びだった。そして琢磨はもちろん、アロンソ、ロッシ、ハンター-レイと誰もが安定している速さを見せていたアンドレッティのマシン。
しかし、今日のレースはアクシデントも多く波乱含み。例え速いマシンを手に入れても、運が悪く接触に巻き込まれてしまえば、すべてを失う。事実ディクソンがそうだった。
■虎視眈々と上位へ
レースが終盤になる程、接触が増えるのもインディ500の常。各ドライバーがひとつでもポジションを上げようと、先を急ぐようになるからだ。一列縦隊の列がターン4を立ち上がる時、右へ左へくねりだし後続のスリップを嫌う様子が正面から見ていると良くわかった。
琢磨はチームメイトらと抜きつ抜かれつしながら、虎視眈々と上位への狙いを定めていた。