オーストラリアの人気ツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの統括団体は、2018年シーズンからの発足を予定するサポートカテゴリー『Super5000(スーパー5000)』の概要を発表。長年オーストラリアから途絶えていたV8オープンホイールのカテゴリー復活をアナウンスすると同時に、そのマシン画像を公開した。
かつてオーストラリアには、ジャック・ブラバム、ブルース・マクラーレン、クリス・エイモンらを輩出し、ジム・クラークやグラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワート、ヨッヘン・リントといったF1スタードライバーたちがこぞって参戦した“タスマン・シリーズ”と呼ばれるシングルシーター選手権が存在した。
F1オフシーズンに南半球で開催される同選手権は、チームのマシン開発に最適なシリーズとしてテストベッドの機能も兼ね備え、1964~1970年代にかけて隆盛を極めた。
F1同様のエンジンを搭載していた初期からシリーズ後期になると、独自のエンジン規定を採用するようになり、70年代には“F5000”と呼ばれる5リッターのV8OHVに進化。今回の『Super5000』は、その時以来となるフォーミュラを現代的に解釈し、よみがえらせるプロジェクトとなる。
マシンのデザインと開発を手がけたのはサウス・オーストラリアに拠点を置くスーパーショック・レース・エンジニアリングで、カーボンファイバーモノコック+パイプフレームのシャシーに、ツーリングカーでも使用する5リッターV8を搭載。アルビンズ製のトランスアクスルギヤボックスを採用している。
初号機はすでにフィリップ・アイランドやアデレード・インターナショナル・レースウェイなど、いくつかのトラックで走行テストを実施済みで、VASCドライバーのガース・タンダー、リー・ホールズワース、アレックス・デイビソンらがステアリングを握っている。