北米で開催され、都合10メーカーのマシンが参戦するハイレベルなGT3カテゴリーとなっているPWCピレリ・ワールドチャレンジ。そのスプリントX形式でのイベントが9月1~3日にテキサス州のF1トラック、COTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で開催され、2台体制で参戦するリアルタイム・レーシング(RTR)のアキュラNSX GT3が、都合5度のトップ10フィニッシュを飾った。
シングルドライバー形式の本戦とは異なり、ドライバー交代を義務付ける60分のセミ耐久方式で争われる『スプリントX』は、このイベントでラウンド8、ラウンド9が開催されるスケジュールとなっていたが、5月に開催されたカナディアンタイヤ・モータースポーツパークでのラウンド4が悪天候で順延となっていた影響もあり、急きょ、このCOTAの金曜に代替戦を開催することが決定。週末に60分レースを3ヒートこなすという変則的なスケジュールとなった。
その他のスプリントXラウンドと同様に、RTRはライアン・エバースレーのアキュラNSX GT3の43号車にトム・ダイアー、ピーター・コックスの93号車にマーク・ウィルキンスを起用。ラウンド3のリザルトがそのまま適用されたグリッドとなり、それぞれ11番手、15番手からのスタートとなった。
その金曜夕刻の代替戦で93号車のスタートドライバーを務めたコックスだったが、彼のマシンはスタート早々にボンネットが吹き飛ぶアクシデントが発生。チームはボンネットを剥ぎ取った状態でレースを続行しようと試みるも、適切なクーリングチャンネルがない状態でマシンを走行させると、エンジンの冷却にも影響が及ぶとの判断からマシンをストップ。早々のリタイアとなってしまった。
一方、43号車をドライブしたダイアーは、クリーンにスタートを決めていったものの、ドライバー交代を目前に控えた中盤に他車との接触からスピン。
「誰にぶつけられたかわからない」とマシンを降りた直後に語ったダイアー。
「それは僕らのマシンをストップさせるほどではなく、ダメージもなさそうで命拾いしたが、それでも僕らは多くのタイムを失った」と、まさかのアクシデントに不満げ。
しかしバトンを引き継いだエバースレーは、夕闇が迫る後半スティントで猛チャージを見せ、9位まで挽回することに成功。「何台かとバトルも楽しめたし、ファンもナイトレースのアクションを満喫できたんじゃないかな」と、こちらは対照的に満足した表情を見せた。