いよいよ最終決戦を迎えたVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー選手権は、11月24~26日に第14戦が開催され、ラウンド25で完勝を飾ったスコット・マクローリン(DJRチーム・ペンスキー/フォード・ファルコンFG-X)が選手権首位に躍り出るも、最終ラウンド26でまさかの接触ペナルティ。代わってこの1戦を制したレッドブル・レーシング・オーストラリアのジェイミー・ウインカップ(トリプルエイト・レースエンジニアリング/ホールデン・コモドアVF)が再度の大逆転で、自身7度目の王座を決めた。
ポイントランキング2位でこの最終戦ニューキャッスル500に乗り込んできたマクローリンは、市街の中心部から海岸線に沿って設けられた名物ストリートコースを舞台に気合いのこもったアタックを見せ、予選ポールポジションを獲得。
5番手に終わった選手権首位のライバル、ウインカップに対しわずかにポイント差で詰め寄り、決勝に向けプレッシャーを掛けることに成功する。
その圧力に押されたか、翌日のラウンド25で5番グリッドからスタートを切ったウインカップは、なんとオープニングラップで4番グリッドのニッサン・モータースポーツ、マイケル・カルーソ(ニッサン・アルティマ)と交錯しフロントサスペンションを破損するという緊急事態。
この修復作業のため長らくピットに留まることを強いられたウインカップは、挽回もむなしく首位から13周遅れの21位。
対して91周目にトップチェッカーを受けたのは、誰あろうポールスタートのマクローリンで、2.4秒差の2位にチームメイトのファビアン・クルサード(フォード・ファルコンFG-X)を従え、DJRチーム・ペンスキーが盤石のワン・ツーをマークした。
これでマクローリンは2017年最終ラウンドに向け78ポイント差のリードを築いて、初のタイトル獲得に向け視界良好の日曜を迎えることとなる。
しかし、そのファイナルレースのスタートからタイトルへの重圧に苦しんだのは、マクローリンの方だった。