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海外レース他 ニュース

投稿日: 2018.02.05 13:35
更新日: 2018.02.06 10:01

挑戦12年目。TOYOTA GAZOO Racingのニュル24時間挑戦の意義と2018年の戦い

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海外レース他 | 挑戦12年目。TOYOTA GAZOO Racingのニュル24時間挑戦の意義と2018年の戦い

 1月12日、東京オートサロンで2018年のニュルブルクリンク24時間レース挑戦を発表したTOYOTA GAZOO Racing。世界一過酷と言われるニュルでの戦いは今年で12年目となるが、その開発テストが1月24〜25日の2日間、富士スピードウェイで行われた。5月の実戦に向け、そのオリジナリティあふれるアプローチが始まっている。

「もっといいクルマを作る」。「クルマを鍛える」。

 トヨタ自動車の豊田章男社長が常に口にするこの言葉は、豊田社長自らがドライバー”モリゾウ”として、2007年にスタートさせたニュルブルクリンク24時間への挑戦のなかで生まれてきた言葉だ。ただ、純粋にモータースポーツとして見た場合、このプロジェクトで参戦する車両の目標は、順位ではなく、あくまで”完走”。完成されたGT3カーで激しい総合優勝争いを繰り広げているドイツメーカーとは異なるアプローチだ。ただ、今回テストを取材させてもらうと、ニュルブルクリンク24時間の舞台、そのアプローチでなければならない理由が垣間見えてきた。

■”ただのレーシングカー”ではないLC

 ニュルブルクリンク24時間は、ニュルブルクリンク北コースとグランプリコースを組み合わせた、1周25km以上の過酷なコースで24時間争う。荒れた路面、高い縁石、ブラインドコーナーと悪条件が揃い、自動車メーカーは多くがここで市販車のテストを行う。

 TOYOTA GAZOO Racingは、このレースに2007年から中古のアルテッツァで出場し、その後発売前のLFAや86、C-HRなどさまざまな車種を投入。社員ドライバーとプロドライバーたちが駆ってきた。2018年は、レクサスLCを投入し、土屋武士/松井孝允/蒲生尚弥/中山雄一という4人がドライブする。

 そんなTGRのレクサスLCは、5月の本番に向け、現在国内で開発が進められている。すでに6回のテストをこなしており、この日も土屋、松井を中心に、トヨタの市販車開発ドライバーも複数名が乗車した。

 ただし、そのピットの光景はふだんのレーシングチームのものとは大きく異なる。車両をメンテナンスするのは、トヨタ自動車の社員メカニックであり、社員エンジニアとパーツサプライヤーのスタッフが常に待機し、ドライバーからのリクエストを細かくメモする。今回ニュルに挑むレクサスLCは、将来のトヨタ/レクサスの市販車に活かされるパーツがふんだんに盛り込まれた実験的なクルマなのだ。ここで鍛えられたものがどんどん改良され、将来の市販車に活かされる……というわけだ。

 実際、ドライバーのリーダーを務める土屋は「このLCは、ボディが市販車のもので、市販車にフィードバックするべきものしかついていない。レースに出るための必要最低限の安全装備はつけていますが、基本的には未来のトヨタのクルマに繋がるもの以外のものはついていないです」という。LC自体はすでに完成され、市販もされているクルマだが、このニュルに挑むLCは、当初まともに走らないくらいだったという。それほどチャレンジングなことをしているのだろう。

富士スピードウェイでテストを行うニュル24時間用レクサスLC
ピットではトヨタの社員エンジニア、社員メカニックがメンテンナンスを行う


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