インディカー9年目を迎える佐藤琢磨が開幕戦を迎えた。6年ぶりに古巣レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに戻った琢磨は、ウインターテストも好調にこなしており、今年と開幕戦に寄せる期待は例年以上のものがあった。
ダラーラのマシンがホンダ、シボレー共に共通となり新しいエアロパッケージで、全チームが同じ出発点に立ったことも、期待値を上げる要因だったのは間違いない。
昨年のインディ500ウイナーだった琢磨は、プロモーションにも引っ張りだこで、このセント・ピータースバーグでもチャリティイベントのカートレースに呼ばれるなど大忙しだった。
しかしいざ走り始めてみると、金曜日FP1で大苦戦。なんと22番手となってしまった。ライドハイドの設定に戸惑ったというが、それにしても厳しい出だしだった。
午後のFP2では10番手までタイムを短縮し、軌道を修正した。
だが琢磨がベテランとして真骨頂を見せたのは予選だった。FP3で9番手となり予選ではグループ2に振り分けられた琢磨は、Q1はタイヤの温まりが悪くさらにトラフィックに遭ったこともあって、7番手となり万事休すかと思われたが、マルコ・アンドレッティが走路妨害のペナルティを受けた為に繰り上げの6番手に。そしてQ2も6番手ギリギリで通過してQ3を迎える。
Q3直前から小雨が落ち始め難しいコンディションとなったが、琢磨はその中で5番手をもぎ取った。予選全体では運も多分に味方したが、それでもこの相性の良いセントピータースバーグでファストシックスに残ったのはさすがだった。
琢磨は「でもフロントロウは取りたかったですね。せっかく運も味方してQ3までいけたし、チャンスがあったんだから。惜しかった」とこぼす。
過去もっともファストシックスに進出しているこのトラックでは過去5位が最高位。今年はそれを上回る結果が期待された。
日曜日も雨予報があったものの快晴の中でレースがスタート。ポールポジションのルーキー、ロバート・ウィケンスがどんなスタートするか注目されたが、琢磨は5番手をキープしながらターン1をクリア。後方のジェームズ・ヒンチクリフとバトルしながら、1周目を終える。