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海外レース他 ニュース

投稿日: 2018.05.10 10:40
更新日: 2018.05.10 10:44

予選直前のBoP変更もなんのその。STCC開幕戦でセアト・クプラTCRが表彰台独占

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海外レース他 | 予選直前のBoP変更もなんのその。STCC開幕戦でセアト・クプラTCRが表彰台独占

 TCR規定を採用して2シーズン目となるSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の開幕戦が5月3~5日にクヌットストープで開催され、今季はフル参戦となるWorldRX世界ラリークロス王者のヨハン・クリストファーソンが大苦戦。オープニングはPWRレーシング・セアト・ディーラーチームのダニエル・ハグロフが、予選直前のBoP発動にもかかわらずワン・ツー・スリーの完勝を飾った。

 このSTCCと同じ週末に開幕戦を迎えたTCRヨーロッパ・シリーズのポールリカール戦と同様に、TCRレギュレーションを運用するWSC Ltd.とFIAは最新のテクニカルレポートを発表。FK8型ホンダ・シビック・タイプR、ヒュンダイi30 N TCRを除く全車両に対し車高の10mmダウンと、セアト・クプラTCRに対しては10kgの車両重量削減などを発表した。

 これでSTCCグリッド上での最多車種であるフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRの1325kgやアウディRS3 LMSの1335kgに対し、クプラTCRは1305kgと30kg近く軽量なマシンになるはずだったが、STCCオーガナイザーは週末2回のプラクティスセッションを終えた段階で独自BoPの発行を決め、5台のセアト全車に20kgのバラスト搭載を指示。予選前のわずか30分間で作業が行われた。

 この決定に対し、PWRレーシングの代表兼ドライバーであるハグロフは「レースウイークの最中に車両重量を変更されれば、もちろんセットアップにも影響が及ぶ。まったく歓迎できる動きではないが、我々はプロフェッショナルとしてそれに対応する」と、懸念を口にしていた。

 しかし、迎えた予選でポールポジションを獲得したのは、そのPWRレーシングの4台体制のうちで今季ルーキーとしてチームに再加入したフィリップ・モーリン(セアト・クプラTCR)となり、自身初のFFレースカーでありながら、TCR規定のコースレコードを記録するという見事なドライビングを披露。

 フロントロウ2番手にハグロフが並び、セカンドロウ3番手には昨季の散発的参戦から代わってクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)からフルエントリーを果たす、世界ラリークロス王者のヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がつけることとなった。

 昨季までの週末3ヒート制から、土曜レース1、日曜リバースグリッドのレース2へとフォーマットが改められたオープニングレースは、スタートからそのPWR勢が席巻。

 チーム代表のハグロフがロケットスタートを決めてトップで1コーナーに飛び込むと、その後に続こうとしたKMSのクリストファーソンをポールシッターのモーリンが牽制。インサイドをキープしてWorldRX王者の鼻先を抑えると、その2台のアウトサイドからSTCC王者、ロバート・ダールグレン(セアト・クプラTCR)がまとめてオーバーテイクするチームプレーを見せ、一気に2番手に浮上。この時点でPWRレーシングが早々にワン・ツー・スリーのフォーメーションを築いた。

レース1のスタートで巧妙なチームプレーを見せてWorldRX王者を抑え込んだPWRレーシングの3台
レース1ではセアトのレースペースに付いていけず、4位に終わったヨハン・クリストファーソン
3位に入ったポール獲得のフィリップ・モーリン(右)は、TTA規定最終年の後輪駆動セアトやポルシェで活躍。初のFF車両でのレースだった


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