2018年もアメリカ・コロラド州で6月24日に開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)に向け、ホンダが展開するアキュラは、同ブランドから今年初頭に発表し、この6月1日に北米でも販売が開始された新型クロスオーバー『RDX』で参戦すると発表。さらに既存の『TLX』2台と『NSX』の3モデルを加え、4台体制で挑むこととなった。
アキュラとして7年連続の参戦となる“レース・トゥ・ザ・クラウド(雲に向かうレース)”に向け、2017年のオープンクラス優勝車『TLX GT』、エキシビジョンクラス優勝車『TLX A-Spec』、そしてタイムアタッククラス表彰台獲得マシンの『NSX』に加え、新たに2019年モデルとして発売を開始したばかりの新型モデル『RDX』のレーシングスペックをモータースポーツに初投入することをアナウンス。
加えて、大会のオフィシャル・ペースカーとしても4年連続でアキュラ・ブランドの車両を提供することを明らかにした。
日本でも今夏の発売がアナウンスされた新型『CR-V』の姉妹車となるこの『アキュラRDX』は、アキュラR&Dの北米シャシー開発グループが製作を手掛けたもので、今季のPPIHCエキシビジョンクラスでレースデビューを果たす。
この3代目『アキュラRDX』が搭載するエンジンは2リッター直列4気筒直噴VTECターボとなり、チューンは違えど最新のホンダ・シビック・タイプRに搭載されるエンジンと同形式のもので、こちらもベースモデルで10速に進化したスポーツATを組み合わせる。
また駆動系にはホンダ自慢の4輪制御システム“SH-AWD”が採用され、ブレーキ制御だけでなく、エンジントルク配分による本格的なベクタリング機構を実現している。
これらベースモデルの特徴を踏まえつつ、このPPIHC仕様ではタービンを大型化するなどし、生産車由来のVTECターボの最高出力をノーマルの272PSから350PSまで引き上げると同時にインタークーラーも強化。10速ATにもシフトスピードとロックアップを見直したスポーツセッティングが施された。
さらに内装の簡素化とロールケージを組み込んだ上で、軽量化を施したパワートレーンには、電動スーパーチャージャーを備えた48Vのマイルドハイブリッド・システムもドッキングされる。
全輪制御機構のSH-AWDにもソフトウェアのリセッティングが行われ、リヤの駆動バイアスが高められているほか、レース用の調整式サスペンション、19インチのHRE製鍛造レースホイール、ピレリ製のスリックタイヤ、ブレンボ製キャリパーとパッドを採用している。
この『アキュラRDXパイクスピーク・レースカー』をドライブするのは、PPIHCではルーキーながら、ラリーの世界で長年ホンダ製のマシンをドライブしてきたジョーダン・ギターで、2016年にはホンダ・フィットで北米ラリー選手権のナショナルBクラス王者も獲得している。