WTCR世界ツーリングカー・カップは6月23~24日、ポルトガルのヴィラ・レアルで第5ラウンドが行われ、レース1でイバン・ミューラー(ヒュンダイi30 N TCR)が、レース2でマト・ホモラ(プジョー308 TCR)が、レース3でテッド・ビョーク(ヒュンダイi30 N TCR)が優勝を飾った。
シリーズの前身にあたるWTCC世界ツーリングカー選手権時代からカレンダーに組み込まれてきたヴィラ・レアルは1周4.785kmの市街地サーキットで争われる1戦。
また、この大会ではWorldRX世界ラリークロス選手権などで採用されている遠回りセクションの“ジョーカーラップ”も採用。各ドライバーにはレース中1度の通行義務が課されており、どのタイミングでジョーカーを通過するかがポイントとなった。
■レース1
レース1の予選はロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)とメディ・ベナーニ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)のセバスチャン・ローブ・レーシング勢がフロントロウを独占。3番手にノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR)が続く形に。
迎えたスタートではミケリスが好スタートをみせたが、ハフとベナーニがサイド・バイ・サイドの状態で前を塞ぐ格好となり、集団のまま1コーナーをクリア。
しかし、続く2コーナーでハフとベナーニが接触。2台はそのまま2コーナーアウト側のガードレールに激突してしまう。
クラッシュの衝撃でベナーニのマシンは、一時ハフのマシンに乗り上げるような格好となると、2台はコースを塞ぐような形でストップ。これに後続の約27台が次々と巻き込まれる大クラッシュに発展した。
ハフとベナーニのふたりは検査のために病院へ搬送されたほか、アクシデントの処理、ガードレールの修復のためにレースは2時間以上に渡って赤旗中断。クラッシュに巻き込まれた車両のうち7台がリタイアを余儀なくされた。
大クラッシュの引き金となったセバスチャン・ローブ・レーシングの2台は修復を断念。レースウイーク全体をリタイアしている。
レースは現地18時15分にセーフティカー先導で再開。予選6番手だったミューラーを先頭に、エステバン・グエリエリ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)、ガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイi30 N TCR)と続いていく。
セーフティカー退出後、ミューラーはレースをコントロールしてトップチェッカー。2位にグエリエリ、3位にはタルキーニを交わしたペペ・オリオラ(セアト・クプラTCR)が続いた。