2018年のFIA F2はF1と同様に3連戦でレッドブルリンクからシルバーストンへと移動し、ここでシーズンの折り返し地点を過ぎた。
参戦する日本人ドライバー2人は依然として厳しい戦いを強いられているが、ロシアンタイムの牧野任祐はシルバーストンで光明を掴んだ。
予選ではダウンシフトがスムーズにできなくなるトラブルで「ほぼ全てのコーナーをオーバーシュートしながらアタックした」ため1.504秒遅れの18位。しかし土曜のレース1ではほぼ全車がオプションタイヤ(ソフト)でスタートする中でプライム(ハード)を選び、前走車たちが早々にピットインしたところで前が開けると、好ペースで首位走行を続けた。
今年がピレリタイヤ初体験とあって、これまでレースでのタイヤマネージメントが課題だった牧野だが、このシルバーストンでは明らかに成長が見られたのだ。
「クリーンエアで自分のペースで走れる状況だったということもあったと思いますけど、今回は良かったですね。でも特別(ドライビングやセットアップで)何かを変えたわけでもないんですが……」
レース中のVSCでは走行位置とLEDパネルのタイミングが悪く、稼ぎすぎた分を戻そうとして4秒ほどのギャップを失ってしまった。2回目のVSCでは稼ぎすぎと判断され5秒加算ペナルティを科され、9位フィニッシュだったが12位に降格となってしまった。
「上手くいっていれば(8位以内で)リバースグリッド獲得もあったと思います。1回目のVSCで3~4秒失っていて、争っていたマキシミリアン・ギュンターが8位フィニッシュですからね」
日曜のレース2では中団の混戦の中でなかなか本来のペースで走ることができなかったが、前がクリアになってからのペースは良かった。もし上位グリッドからスタートできていれば、ペースの遅い中団勢に付き合わされることなく良いレースができそうな手応えが見えてきたのだ。
「あまりペースが良くない集団に付き合わされて、こっちはダウンフォースも抜けてタイヤを傷めてしまうし。今週末はそういうのに付き合わされていたところはかなりありました」
「昨日も上手く戦えていればリバースグリッドが獲れたと思いますし、今日も普通に1人で走っていればペースは良かったと思うので、レースペースに関しては良くなってきたかなという手応えはあります。予選で前の方に行けるようになればレース展開はガラッと変わってくるかもしれません」
「今シーズンの中でレースペースは一番良かったと思うので、そういうポジティブなところもあったし、確実に良くなってきていますね」