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海外レース他 ニュース

投稿日: 2018.07.31 16:32

マシンが改善し笑顔が戻った福住。牧野には思わぬ落とし穴/FIA F2ハンガリー

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海外レース他 | マシンが改善し笑顔が戻った福住。牧野には思わぬ落とし穴/FIA F2ハンガリー

 FIA F2選手権はF1よりも一足早くシーズンの折り返し地点を迎えた。このハンガリーはシーズン後半戦を占う上で非常に重要なラウンドになる。

 というのは、全マシンのエンジンがベンチに掛けられて公平にシャッフルされた上に、問題が多かったクラッチも対策品がデリバリーされ、各チームに1日のプライベートテストが許可された上で迎えた、いわば再出発のラウンドだったからだ。

 そのハンガリーで光明を掴んだのはアーデンの福住仁嶺だった。

 フリー走行からマシンの感触が良く、その感触にラップタイムも呼応してきた。これまではエンジンパワーで劣る感があり、自分が良い走りをできたと感じられてもラップタイムが伴わないという苦しい状況が続いていたが、フリー走行から7位につけて福住の表情にも笑顔が戻ってきた。

 予選ではターン1のブレーキングでリヤがロックするなどミスもあって11位に終わったが、マシンの相対的な競争力は確実に上がっていた。

「フリー走行でP7って言われた瞬間、『はぁ、やっとか!』って思いました(苦笑)。他に比べれば決して良いとは言えないんでしょうけど、それでも(今までに較べれば)マシってことですよ」

「これまでのようなワケの分からないタイム差っていうのはなくなったし、まだトップとは0.6秒差がありますけど、自分なりにこの走りならこのくらいのタイムだろうっていう感覚は合致していました」

 豪雨に見舞われたF1の予選後に行なわれた土曜のレース1はウエットコンディションでの難しいレースになったが、福住はそれとは全く違う問題に直面しフラストレーションを募らせていた。

「ステアリングが右に曲がっていて、コースインしてすぐに気付いたんですけどもうどうすることもできなくて。ウエットコンディションではなんとか騙し騙し走ることができましたけど、ドライになってからは周りについていくのは厳しかったです」

「ステアリングが右に曲がっていた」という福住のマシン。応急処置が施される

 レース1を10位でフィニッシュして10番グリッドから臨んだレース2でもまだその問題が修正されておらずグリッド上で応急処置を施したが、マシンはまっすぐにブレーキングできずステアリングを切る量も左右で異なる手負いの状態。

 チームへの不信感を滲ませながらも、酷暑のコンディションのなかでレース前半は上手くタイヤを労り、後半に何台ものマシンがリヤのデグラデーションに苦しむ中で次々にポジションを上げ、最終ラップの最終コーナーからの立ち上がりでレース1勝者のニック・デ・フリースに並びかけて0.001秒差で6位を勝ち獲った。

 福住は「周りのペースが落ちただけ」と言うが、それでも今季ここまでの低迷が嘘のような力走に、光明が見えてきたのは事実だ。

「そうですね、今までに比べれば前の方で戦えましたし、予選で前に行けたというのは大きい要素でした。(エンジンシャッフルの効果で)自分自身の加速もそうだし、他車にとんでもない速度差で抜かれることもなかったし」

「昨日・今日は本当に久しぶりにレースをしている感覚があったし、チームとの間にはまたフラストレーションも溜まりましたけど、全体として見ればポジティブな週末になったと思います」

■牧野に思わぬ落とし穴が


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