イタリア・ミサノで開催されているDTMドイツツーリングカー選手権。DTM史上初のナイトレースで行われた第13戦はポール・ディ・レスタ(メルセデスAMG C63 DTM)がポール・トゥ・ウインで2連勝を飾った。
残り4ラウンド8戦となったDTM。ミサノでのラウンド7は、ゲストドライバーとして元CARTチャンピオンでレース中のクラッシュにより両足を失うもパラリンピック金メダリストに輝いたアレックス・ザナルディが参戦。ハンドドドライブシステムが組み込まれたBMW M4 DTMでDTM現役ドライバーたちと母国レースを戦う。
ウエットコンディションで行われた予選は、ランキング2位のポール・ディ・レスタがポールポジションを獲得。エドアルド・モルタラ(メルセデスAMG C63 DTM)、レネ・ラスト(アウディRS5 DTM)と続き、ランキングトップのゲイリー・パフェット(メルセデスAMG C63 DTM)は4番手。ザナルディは最後尾からレースに挑むことに。
史上初のナイトレースは波乱の幕開け
DTM初となるナイトレースで行われるミサノ戦。雨も止み22時30分に55分+1周のスタートを迎えた。ポールのディ・レスタは少し遅れ、モルタラ、さらに素晴らしいスタートを見せたパフェットと並んで1コーナーへと飛び込む。
2コーナーでイン側となったディ・レスタがトップをキープ2番手にぱげっと、3番手にモルタラと続く。ペースの上がらないラストは、5番手スタートのティモ・グロック(BMW M4 DTM)と競り合いポジションダウン。
モルタラとグロックは4周目終わりでピットイン。徐々に路面も乾き始めスリックタイヤへと各車変更していく。
トップ争いをするディ・レスタとパフェット、さらにラストも6周目終わりで同時にタイヤ交換へ。ディ・レスタはタイヤ交換組のトップでコースに復帰。パフェットは、モルタラとポジションを争うことに。
しかし、8周目にパフェットをマシントラブルが襲いスローダウン。さらにモルタラとも接触しマシンはストップ。チャンピオン争いには手痛いノーポイントでレースを終えた。
このアクシデントでセーフティカーが導入。タイヤ交換を終えていないダニエル・ジュンカデラ(メルセデスAMG C63 DTM)を先頭に13周目にリスタートを迎える。
ジュンカデラはトップをキープするもオーバランで、アウグスト・ファーフス(BMW M4 DTM)がトップに浮上。6番手にいたフィリップ・エンゲ(BMW M4 DTM)がディ・レスタを交わし、2番手へとジャンプアップする。
ラストは他車に接触されジェイミー・グリーン(アウディRS5 DTM)を巻き込みスピン。ルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)もシケインでスピンし、ブルーノ・シュペングラー(BMW M4 DTM)もマシンをストップさせるなど、大荒れの一周となり再びセーフティカーが入る。
17周目にレースは再開。このリスタートでディ・レスタはエンゲを交わし実質トップとなる2番手を取り戻す。しかし、翌周にバランスを崩してディ・レスタはオーバーラン。エンゲがポジションを奪い返す。
19周目終わりでファーフスがピットイン。エンゲがトップになり、ディ・レスタ、モルタラの順でレースは終盤へ。
残り10分、再びエンゲを射程範囲内に捕えたディ・レスタは、25周目にオーバーテイク。さらにモルタラもエンゲのインを差し2番手を奪う。これで集中力が途切れたのか、ジュンカデラに交わされ、ロイック・デュバル(アウディRS5 DTM)に攻められる。