2018年のインディカー・シリーズは全17戦がスケジュールされているが、2戦を残してホンダがマニュファクチャラータイトル獲得を決めた。
開幕戦セント・ピーターズバーグでホンダが先勝。第2戦フェニックスでシボレーが今季初勝利と今年はスタートからシーソーバトルになった。
インディアナポリスのロードコースとオーバルで連勝したシボレーが4対2で水を開けにかかったが、続くデトロイトのダブルヘッダーでホンダが両方勝って4対4に戻し、ロードアメリカでの第10戦終了時点でまた勝敗は5対5の互角。
ところが、その後のアイオワ、トロント、ミド・オハイオ、ポコノとホンダが4連勝してタイトル獲得をほぼ決定づけ、ゲイトウェイではシボレーが勝ったものの、マニュファクチャラーバトルは最終戦を前に決着した。
シボレーは2012年にインディカーに復帰して以来、マニュファクチャラータイトルを獲得し続けていたが、ついにチャンピオンの座をホンダに明け渡すことになった。彼らはチーム・ペンスキーに頼り過ぎる参戦体制で、サポート不足を理由にチップ・ガナッシ・レーシングが2017年にホンダ陣営に戻った。
それでもペンスキーが年間10勝を挙げるなどでタイトルを守ってきたが、ユーザー層を厚く、強くしてきているホンダを相手にした戦いは厳しさを増している。今シーズンを見ても、シボレーはペンスキーのジョセフ・ニューガーデン、ウィル・パワーがそれぞれ3勝して勝ち星を「6」としているが、ペンスキー以外に優勝チームはない。
翻ってホンダはデイル・コイン・レーシング(セバスチャン・ブルデー)、アレクサンダー・ロッシとライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の4チーム、5人のドライバーたちによって9勝をマークし、タイトルへと逃げ切った。
■シボレーを上回ったホンダエンジンの信頼性
2012年に始まったエンジンバトルでホンダがマニュファクチャラータイトルを獲得するのは今回が初めてというのは、多くの人々にとって意外な事実だろう。
ホンダはこのタイトルを欲しがっていなかったわけではないが、2012年からの彼らの優先順位のトップはインディアナポリス500での優勝で、次がホンダドライバーをチャンピオンにすること。マニュファクチャラータイトルはホンダにとっては3番目の目標だった。