ヨーロッパ全域のトラッキーから熱烈な支持を集めるFIA欧州選手権、ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップの第6戦が9月15~16日にベルギーのゾルダーで開催され、週末4戦で4人の勝者が誕生。土曜レース2ではシリーズ紅一点の実力者、シュティフィ・ハルム(チーム・シュワーベントラック/IVECO)が豪快なオーバーテイクを決め、今季2勝目を飾っている。
土曜レース1に向けた予選スーパーポールセッションで最速タイムを刻んだのは、スペイン出身のアントニオ・アルバセテ(トラックスポーツ・ルッツ・ベルナウ/MAN)で、選手権リーダーのヨッヘン・ハーン(ヨッヘン・ハーン・レーシング/IVECO)を抑えて1分57秒332を記録し今季3度目のポールポジションを獲得。
そのまま12周のレース1でも首位スタートの優位を活かして快適なリードを保つと、オープニングラップでハーンをかわした現王者のアダム・ラッコ(バギラ・インターナショナル・レーシング・システムズ/フレートライナー)が激しい2番手争いを繰り広げるレース展開にも助けられ、余裕のポール・トゥ・ウイン。アルバセテがニュルブルクリンク、スロバキアリンクに続いて今季3勝目を飾ってみせた。
続いてトップ8のリバースグリッドとなるレース2では、アンドレ・クルシム(Don’t Touch Racing/IVECO)がポールシッターとなり、セカンドロウにはレース1で7位に入ったシュティフィ・ハルムが並ぶグリッドに。
タイトでテクニカルなゾルダーのレイアウトでは「スタートがすべて」だと、グリーンシグナルの一瞬に勝負をかけていたハルムは、1コーナーのアウトからクルシムのIVECOに並びかけると、狭いスペースをモノともせず豪快なオーバーテイクを成功させ首位浮上に成功。スタンドに詰め賭けたファンからも大歓声が上がるアクションをみせる。
ドイツ人同士の首位争いを制したハルムは、表彰台には登りながらもここ数カ月、勝ちのなかった展開を払拭するかのような快走をみせ、みるみるリードを拡大していく。
一方、集団の後方では6番手スタートだった”帝王”ハーンが、オープニングラップですでに4番手にまで浮上すると、レース序盤から3番手を堅守していたレネ・ラインアート(ラインアート・レーシング/MAN)がワイドになったのを見逃さず、7周目の最終シケインで表彰台圏内に浮上してくる。