9月28~30日の週末に行われたWTCR世界ツーリングカー・カップ第7戦の併催イベントとして、TCRチャイナとともに開催されたCTCCチャイナ・ツーリングカー・チャンピオンシップ。同シリーズでトップチームとして活動する長安フォードFRDチームは、寧波国際スピードパークでの一戦に合わせ、2018年のドライバーズ、チームチャンピオンシップ両タイトル獲得に向けた第4世代の新型モデル『フォード・フォーカスCTCC』を投入した。
長安フォードFRDチームはこの新型マシン投入に際して、レギュラードライバー4名同時にスイッチすることを決め、都合4台の車両を同時製作でスタンバイ。3度のCTCCタイトル獲得経験を持つアンディ・ヤンを筆頭に、選手権首位のマーティン・カオや、今レースから国際ワイルドカード枠でチームに加入したオーストラリア人、ジョシュ・バードンにもブランニューマシンを用意した。
これまでもフォード系のチームとして長年にわたりフォード・フォーカスを使用してCTCCに参戦してきた長安フォードFRDチームは、今回初となる新型フォーカスの4ドアサルーン版をベースモデルにチョイス。これまでの5ドアハッチバックとは異なる空力特性と前後重量配分を得ることが狙いだったという。
この新型マシンもこれまで同様、イギリス・マウンチューンが製作した2リッター4気筒直噴ターボを搭載しており、今回はそのエンジンも完全ブランニューのユニットに更新された。
今季初めからスタートした開発作業はサマーブレイクの期間に本格化し、マシン製作が一気に加速。選手権リーダーのマーティン・カオや、元王者アンディ・ヤンの手でシェイクダウンを済ませ、満を持してWTCR併催の寧波に持ち込まれた。
しかし週末の2ヒートでは4台ともに車検時のレギュレーション不備が発覚し全車“10ポジションダウン”のペナルティを受け、ポイント獲得はならず。それでもレース1で7位、レース2で4位と健闘したヤンは「マシンにポテンシャルがあることは確認できた」と語った。
「ペナルティは残念だが新型車両の開発時にはよくあること。感触はとても良かった。異なるセットアップやマシン特性の理解をさらに進めるため、もっと走りこむ時間が必要だね」と、3度のCTCCタイトル獲得経験者のヤン。
それを受け、チームのテクニカルディレクターを務めるブライアン・マーも「クルマのスピードには満足している」と、一定の評価を与えた。
「このマシンにとって初めてのレースウイークエンドで、7位と4位というフィニッシュは悪くない成績だと思う。全体的なクルマの仕上がりには満足しており、スタートに際しては良い基盤を持っていることを証明できたと思う」