南半球を代表する人気ツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーに参戦するウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)は、2020年シーズンにホールデンの姉妹ブランドであるシボレーから、同社を代表するスポーツカーをベースとした新型モデル『シボレー・カマロ・スーパーカー』を投入すると明言した。
現在ホールデン、フォード、そしてニッサンの3マニュファクチャラーがワークス参戦しているVASCでは、2018年限りでニッサンが撤退。ニッサン・アルティマは来季もカスタマーカーでのエントリーが継続されると見られるが、2019年シーズンは長年の伝統に立ち返る形でホールデンとフォードの一騎打ちで争われる。
そのフォードは、2019年に向けすでに『フォード・マスタング・スーパーカー』の投入を発表済み。今回その決断に対抗する形で、ゼネラルモーターズ傘下のホールデンも世界的スポーツカー市場でのライバルをシリーズに投入する決定を下したようだ。
今季から北米のアンドレッティ・オートスポート、ユナイテッド・オートスポーツの資本参入を受け、新たにWAUへと生まれ変わった同チームだが、その共同オーナーを務めるライアン・ウォーキンショーは英国デイリー・テレグラフ紙に対し「(カマロが)2020年にレースを戦うことは間違いない」と認めた。
「我々はすでに今季初めには初期のフィジビリティスタディ(実現可能性調査)を終えており、プロジェクトはすでに“第二段階”に進んでいる。今後はさらに画面上でのデザインやCFDの解析が進められることになる」とウォーキンショー。
2016年シーズンまではホールデンの筆頭ワークス指定チームとして“HRT(ホールデン・レーシング・チーム)”のポジションを守ってきた同チームは、昨季からその待遇をレッドブル・レーシング・オーストラリアのトリプルエイト・レースエンジニアリングに譲る苦い経験を経て、現在はホールデンの高性能市販車部門となる“HSV(ホールデン・スペシャル・ビークルズ)”を運営している。