シーズンも大詰めを迎えているVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーは、10月20~21日に第14戦ゴールドコースト600が開催され、土曜のレース1はティックフォード・レーシングのチャズ・モスタート(フォード・ファルコンFG-X)が今季初となる久々の勝利。しかし日曜レース2ではサーファーズ・パラダイスを強烈な豪雨と雷鳴を引き連れたストームが襲い、赤旗からレースキャンセルの決断が下された。
フォード系トップチームとして今季もタイトル争いを展開するDJRチーム・ペンスキーのスコット・マクローリン(フォード・ファルコンFG-X)は、耐久カップでペアを組むアレンクサンダー・プレマの見事な予選アタックで幸先良くポールポジションを獲得。レースでもその好調さに賭けてプレマをスタートドライバーに起用した。
するとフロントロウに並んだ2017年王者、トリプルエイト・レースエンジニアリングのジェイミー・ウインカップ/ポール・ダンブレル組(ホールデン・コモドアZB)もカップドライバーのダンブレルをスターターに起用すると、作戦が功を奏しオープニングの攻防でインを奪ったダンブレルがドアをこじ開け、マシンをヒットさせながら前に出ることに成功する。
このムーブでハーフスピン状態に追い込まれたプレマは、スライドしながらウォールにヒットしつつなんとかマシンを立て直すも、これで5番手にまでドロップ。しかしレーススチュワードはこのオーバーテイクを“レーシング・インシデント”としてお咎めなしの裁定を下した。
一方トリプルエイトのもう一台、同じレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)のチームメイトである選手権リーダーの“SVG”ことシェーン-バン・ギズバーゲン/アール・バンバー組(ホールデン・コモドアZB)は、予選トップ10シュートアウトには進出したもののSVG自身のアタックラップでトラックリミット違反があったとしてタイムが抹消。10番手からのスタートを強いられることに。
さらにRBRA勢には運も味方せず、23周目にアントン・デ・パスカーレ/ウィル・ブラウン組の大クラッシュでセーフティカー・ピリオド(SC)となり最初のピットストップウインドウが開くと、1号車ダンブレル、97号車SVGが続けてピットへ。
すると最初にボックスを離れた王者ウインカップはティックフォードのモスタートにファストレーンでヒット、続いてダブルピットで待ち時間を過ごしたバンバーがSVGに交代してスタートを切ると、ニッサン・アルティマの進路を塞いだとして2台ともに“アンセーフ・リリース”のペナルティを受けることに。