カートの先生は琢磨。Takuma Kids Kart Academyで子供達を直接指導「子供達はみるみる速くなった」
師走に入りモータースポーツは表彰式やシーズンエンドパーティ、一年を締めくくるファンイベントが毎週末のように行われているが、アメリカから帰国した佐藤琢磨は、子供達と過ごすイベントに精力的だ。
11月24日には鈴鹿のカートコースでTakuma Kids Kart Challengeのファイナルイベントを行い、日本各地のレンタルカートコースで上位のタイムを出した子供達を招いていた。ここでさらにタイムトライアルを行って上位10名のドライバーを選出し、12月8日には鈴鹿の南コースで「Takuma Kids Kart Academy」としてイベントを開催した。
今年で2回目となるこのアカデミーは、選抜された10名の子供達に1台ずつ専用のカートを与え、丸一日たっぷりと琢磨のドライビングレッスンが受けられるというもの。実際にはレンタルカート程度しか経験のなかった子供達だが、この一日の受講でみるみる成長していった。
父兄に連れられ鈴鹿にやってきた子供達は、開会式で琢磨と会うとキラキラと目を輝かせながら、話に聞き入った。
簡単なスケジュールの説明の後に、マシンのシートフィッティングをすると、パイロンを立てたスラローム走行やフルブレーキングの練習などを繰り返し、徐々にマシンに慣れていく。その後には琢磨の後についてコースを慣熟走行し、本格的なタイムトライアルに入った。
子供達も皆熱心で、マシンを降りては琢磨に積極的に質問する子供も多かった。
ランチタイムの後には、子供達に今日できたこと、できなかったこと、午後の目標などを作文させるなど、このアカデミーらしいプログラムもあった。
またこのイベントをサポートしているグリコからもスタッフが講師に訪れ、スポーツドリンクの作用や仕組みを簡単に説明し、どうして運動中に水分補給が必要か、スポーツドリンクは水とどう違うのかなどを説いていた。普段は滅多に聞けない話に子供達は関心することしきりだ。
午後になるとより実践的なテーマとなって、ローリングスタートの仕方や模擬レースなどを行った。中にはマシントラブルでレース中に止まってしまい涙する子供や、うまくタイムが出せず閉口する子供もいたが、「何事も良い経験になったはず」と琢磨は言う。
「みんなレンタルカート程度しか経験がないはずなのに、今日はみるみる速くなって良いレースをしてくれました。最後のレースはバトルも見応えあったし、どの子たちも精一杯走ってくれた。何よりお父さんお母さんや、サポートしてくれる皆さんの気持ちを忘れないで走ってくれたのがうれしかったですね。これからも彼らの将来を楽しみにしたいと思います」と琢磨。
ファイナルレースで健闘した上位3名には賞品が贈られ、他の子供達にもグリコからお菓子の詰め合わせが渡され、無事一日が終了した。琢磨はこのイベント後大急ぎでツインリンクもてぎに向かい、9日のホンダレーシングサンクスデーに参加する。