2017年、2018年とWorldRX世界ラリークロス選手権を席巻し、圧倒的な強さでドライバーズタイトルを獲得した王者ヨハン・クリストファーソンが、PSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンのシリーズ撤退を受け、2019年シーズンはTCR規定最高峰、WTCR世界ツーリングカー・カップのグリッドに並ぶ可能性を模索している。
2週間前に30歳を迎えたクリストファーソンは、2018年に母国スウェーデンのSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権でフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRのステアリングを握ってチャンピオンとなり、自身2度目のSTCCタイトルを獲得。
同時に、PSRXのフォルクスワーゲン・ポロR RXスーパーカーをドライブしたWorldRXでも、ディフェンディングチャンピオンとしてシリーズ全12戦中11勝を挙げる圧倒的な戦績を残して連覇を果たしている。
しかし、成功を収めたWorldRXではチャンピオンシップ自体の環境が激変し、ラリークロス界の老舗コンストラクターとして長年このシーンを牽引してきたオルスバーグMSEが参戦見合わせを決めたほか、プジョースポール、アウディスポーツなどのビッグマニュファクチャラーもワークス活動から手を引くなど、フォルクスワーゲン・モータースポーツにとっても難しい判断を迫られる状況となり、チームは来季タイトル防衛を放棄する決断を下した。
しかしこのシリーズ撤退決定は、クリストファーソンのキャリアに別の可能性を開く契機ともなり、FIAのワールドカップ格式イベントとなるWTCR挑戦へのドアが開かれるとともに、この週には非公式ながらスペイン・へレスでゴルフGTI TCRのテストを行ったとみられている。