2019年シーズンからWTCR世界ツーリングカーカップに新規参入を果たすLynk&Coシアン・レーシングは、グリッドで4台目となる『Lynk&Co 03 TCR』のステアリングを託すドライバーに、22歳のヤン・エルラシェールを抜擢。事前の予測どおり、4度の世界王者イバン・ミューラーの甥っ子が、叔父と同じチームで世界戦のレースを戦う夢が現実となった。
元国際F3000やインディライツのドライバーであるキャシー・ミューラーを母に持ち、ツーリングカー界のレジェンド、イバンを叔父とするレーシングドライバー一家に育ったエルラシェールは、1年のブランクを経て新型TCR規定マシンを提げカムバックするシアン・レーシングに加入することが決定。
最後のWTCC世界ツーリングカー選手権王者のテッド・ビョークや、トリプルクラウンを記録したWTCCスターのアンディ・プリオール、そして偉大な叔父のチームメンバーに迎えられることとなった。
2017年にWTCC昇格を果たしたエルラシェールは、RCモータースポーツのラーダ・ベスタTC1をドライブし、アルゼンチン戦で勝利を飾るなど才能の片鱗を見せると、2018年WTCRでは開幕前のシュートアウトでミュニッヒ・モータースポーツ入りが決定。
ワークスドライバーのエステバン・グエリエリとともにFK8ホンダ・シビック・タイプR TCRのステアリングを握り、シーズン前半戦はポイントリーダーにも躍り出るなどの活躍を演じて、ハンガリー、オランダでの年間2勝をマークした。
「本当に夢がかなったような気分だ。現時点でシアン・レーシングより優れたパッケージングを持つチームは他に見当たらないからね」と、喜びを語ったエルラシェール。
「僕にはまだ学ぶべきことが山ほどあり、アンディやテッド、そして叔父のイバンという最高のメンバーとチームメイトになれれば、彼らから学ぶと同時にとてつもなく高い目標を設定することが可能になる」
「今はまだチームで一番若い立場だけど、僕の目標は彼らに勝るとも劣らないぐらい高いリザルトを、2019年のWTCRで手にすることだ」
すでにLynk&Coシアン・レーシングは、2019年に向けた開発テストのプログラムを積極的に進めており、エルラシェールはこの週後半から行われているスペイン・バルセロナでのテストに合流。ミューラー、プリオールとともに『Lynk&Co 03 TCR』のテストを行い、初めてマシンの感触を試す予定となっている。