WTCR世界ツーリングカー・カップに参戦するBRCレーシングは、2019年シーズンのチーム体制発表会を開催し、改めて4台のヒュンダイi30 N TCRを投入するとアナウンス。ディフェンディングチャンピオンのガブリエル・タルキーニと残留したノルベルト・ミケリスに加え、新加入のアウグスト・ファーフス、ニッキー・キャッツバーグのマシンには、新たにロシアの石油企業ルクオイルをパートナーに迎えると発表した。
2019年からヒュンダイ・カスタマーレーシングのサポートで4台体制へと戦線を拡大するBRCレーシングだが、王者タルキーニとミケリスの2台は今季から“BRCヒュンダイ N スクアドラコルセ”のチーム名でエントリー。ニューフェイスとなるファーフスとキャッツバーグの2台は“BRCヒュンダイ N ルクオイル・レーシング・チーム”のエントリー名で参戦する。
ツーリングカー界ではおなじみとなるロシアのエネルギー大手は、かつてWTCC世界ツーリングカー選手権時代にタルキーニがプライベーター・セアトをドライブした際にも支援を行った経緯があり、昨季2018年はチームWRTとジョイントし、アウディスポーツ・レパード・ルクオイルとしてシリーズに関わってきた。
ラウンチイベントで公開された2019年仕様のヒュンダイi30 N TCRは、スクアドラコルセを名乗る2台がよりワークス然としたカラースキームを採用。WTCRの“ルーキー”がドライブする2台には、ルクオイルのコーポレートカラーであるレッドの面積が大きく彩られたカラーリングとなった。
チームはこの新体制を反映したマシンで、次週スペイン・バルセロナで開催予定のWTCR公式プレシーズンテストに参加。4月初旬のモロッコから幕を明ける2年目のシーズンで、タルキーニの防衛とYMR(イバン・ミューラー・レーシング)に奪われたチームタイトル奪還に挑むことになる。
ヒュンダイ・カスタマーレーシング代表であり、タルキーニとはJASモータースポーツのテクニカルディレクター時代からともに仕事をしてきたアンドレア・アダモは「2019年のWTCRはさらに競争の激しいシーズンになるだろう」と展望を語った。
「このオフの期間、我々はカスタマーレーシングとしてチームやドライバーの準備を手助けしてきた。i30 N TCRは2018年も信じられないほどの成功を収め、TCRシリーズの新たなベンチマークとなった。この4人は全員がタイトルコンテンダーになれるし、我々はあらゆる側面からそれをサポートする準備ができているよ」
2018年に初代WTCRチャンピオンの称号を勝ち獲ったタルキーニは、その防衛に臨む2019年に向け「たとえ新型車種や実力派ドライバーの参戦があろうと、昨季同様の競争力を発揮できるはずだ」と期待を込めた。