F1ワールドチャンピオンで2018年スーパーGTのGT500クラス王者でもあるジェンソン・バトンをはじめ、ジル・ビルヌーブやジャック・ビルヌーブ親子など世界中のあらゆるカテゴリーにトップドライバーを輩出した著名なレーシングスクール創設者、ジム・ラッセルが3月30日に他界した。98歳だった。
イングランド東部出身で兄のピーターとともにガレージビジネスを始めたジム・ラッセルは、1952年32歳のときにクーパーMk4でレースキャリアをスタート。1955年から3年連続で当時のF3選手権でタイトルを勝ち獲り、通算64勝を記録。F2やスポーツカーレースにも進出した。
その活動と並行して1956年にはロータスの地元としても有名なスネッタートンを拠点に“ジム・ラッセル・ドライビングスクール”を開校した。しかし、1959年に参戦したル・マン24時間レースでクラッシュに巻き込まれ瀕死の大怪我を負い、1961年を持ってドライバーから引退することを決断している。
そんなラッセルの名を一躍知らしめたのは、1966年に撮影協力を行ったジョン・フランケンハイマー監督の映画『グラン・プリ』だ。三船敏郎も出演したF1サーカスを舞台とするこの映画では、主演のジェームス・ガーナーを含む俳優陣にドライビングレッスンを行うと同時に、ジュニア・フォーミュラのマシンを撮影用にF1ルックへと改造する技術支援も行った。
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