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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.04.11 10:57
更新日: 2020.05.21 15:42

オーストラリア・スーパーカー:“マスタング封じ”の規則変更跳ねのけ、DJR陣営がワン・ツー

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海外レース他 | オーストラリア・スーパーカー:“マスタング封じ”の規則変更跳ねのけ、DJR陣営がワン・ツー

 オーストラリアを代表するツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第3戦が南部タスマニア島のシモンズ・プレイン・レースウェイで開催され、直前に実施されたCoG(センター・オブ・グラビティ)規約の変更にも関わらず、今季デビューのフォード・マスタング勢がスピードを維持し、DJRチーム・ペンスキーの王者スコット・マクローリン、ファビアン・クルサードがレース1でワン・ツー・フィニッシュを飾った。

 F1開幕戦との併催だったアルバートパークでの第2戦を経て、開幕戦デビューウインから6戦5勝と2018年チャンピオンのマクローリン&新型マスタングのコンビが早くもシリーズを席巻する勢いを見せるなか、パドックでは「センター・オブ・グラビティ(車両重心位置)」に関する議論が勃発。

 VASCシリーズの技術部門が複数台のマシンを任意でテストした結果、今季からプライベーターとして参戦するニッサン・アルティマL33に対し、ホールデン・コモドアZB、そしてフォード・マスタングの2車種が重心位置でアドバンテージを得ていたと発表した。

 これは明らかに“マスタング封じ”の策とみられ、フォードのファクトリー支援を受けマシン開発を担当したDJRチーム・ペンスキーやティックフォード・レーシングは強く反発したものの、この第3戦を前にホールデンの開発チームであるトリプルエイト・レースエンジニアリング(レッドブル・レーシング・オーストラリア/RBRA)、ケリー・レーシング、そしてDJRの3チームがVASC技術部門主導のもとテストを行ない、バラスト搭載位置を修正することとなった。

 シリーズのCEOを務めるショーン・シーマーは「もちろん、3車種ともにレギュレーションには完全合致しており技術的違反はなんら発生していないが、Gen2規定を活用してデビューしてきたコモドアZBのときと同様に、マスタングは非常に高度なコンストラクションと技術的整合性を持っている。3台の公認車両に関して公平な競争精神のもとで、車種間の技術的な違いを最小限に抑えることを目指した措置だ」と説明した。

 その成果が反映されたか、第3戦の舞台となった4月6~7日のシモンズ・プレインではプラクティスから様相が一変し、RBRAのホールデンがトップタイムを記録。“セブン・タイムス・チャンピオン”のジェイミー・ウインカップがチームメイトの2016年王者SVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンに0.0187差の首位に立つ。

 さらに予選3セッションからスーパーポールを経てグリッド最前列に躍り出たのは、フォードで13年間を過ごし今季からホールデン陣営へと移籍していたマーク・ウインターボトム(ホールデン・コモドアZB/Team 18 IRWIN Racing)となり、2015年王者にとっても約4年ぶりのポール獲得となった。

センター・オブ・グラビティ(車両重心位置)規約の変更を受け、2016年以来のポールポジションを獲得したマーク・ウインターボトム(右)
しかしR1スタートでは王者マクローリンのマスタングが1コーナーを制し勝負あり
予選コースオフで15番手発進となったジェイミー・ウインカップは、チャズ・モスタートとの攻防で右フロントをパンクしグラベルへ
今季も安定した戦績が光るタイトル候補のデビッド・レイノルズはR1で6位に続き、R2では3位表彰台を確保


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