ドイツ・ラウジッツリンクで4日間にわたって開催されたDTMドイツ・ツーリングカー選手権の公式プレシーズンテストでは、ロビン・フラインス(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・アプト・スポーツライン)が総合トップタイムをマーク。アウディスポーツ勢は全日程それぞれで首位を記録しただけでなく、総合でもトップ5のタイムを独占するなど、2019年から導入される新型2リッター4気筒直噴ターボエンジンの完成度の高さを示した。
初日はロイック・デュバル(アウディRS5 DTM/アウディスポーツ・チーム・フェニックス)のトップタイムで幕を開けた、DTM新時代を迎える2019年最初の公式テストは、4日間の総合でもフラインスが1分35秒169の最速タイムを記録。このタイムは2018年にメルセデスAMGのルーカス・アウアーが記録したポールポジションタイムより2.6秒も速いタイムとなり、かつての4リッターV8自然吸気に対して、最新の2リッター4気筒直噴ターボがどれほどの性能を有しているかの明確なベンチマークとなった。
DTMを統括するITR.e.V代表のゲルハルト・ベルガーは公式テストを振り返るとともに、この規定変更がDTMファンにとってよりスペクタクルなショーを提供する契機になる、と自信をみせた。
「本当に新しいことが数多くあるだけに、この先に何が起こるのかわからないのが正直なところだ」と、心境を語ったベルガー代表。
「しかし、我々はファンが何を望んでいるのか確信している。シーズン最初の1、2戦を見ただけでは誰がチャンピオンになるのかわからないような、非常にコンペティティブなシリーズを提供することだ」
スーパーGTとの長年にわたった協議の末、GT500クラスに先んじてクラス1規定完全準拠のマシン導入に踏み切るDTMは、2018年限りでのメルセデスAMGのワークス活動撤退を乗り越え、今季から新たにアストンマーティンをシリーズに迎え入れる。
「我々は日本のGT500クラスと富士、ホッケンハイムでふたつの交流イベント開催を予定している」と付け加えたベルガー。
「6つのマニュファクチャラーが互いに競い合い、レースで戦う際にどのような融合を実現していくかが重要だ。これが我々にとって今季の特別なチャレンジになることだろう」