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投稿日: 2019.05.02 00:07
更新日: 2019.05.02 00:12

DTM開幕直前! アウディチーム発表会を連続訪問(4)最後は上品レストランで。チーム・アプト

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Blog | DTM開幕直前! アウディチーム発表会を連続訪問(4)最後は上品レストランで。チーム・アプト

 いよいよ5月3〜5日に開幕するDTMドイツ・ツーリングカー選手権。その開幕を前に、ドイツはミュンヘン在住のモータースポーツライター・池ノ内みどりが、アウディRS5 DTMで参戦するチームの発表会をぜ〜んぶ取材しましたので、その様子をお届けしましょう。日本では近年、チーム単位での参戦体制発表会はあまり多くはなく、ファン向けイベントも兼ねていることも多いですが、ヨーロッパの発表会はどんな雰囲気なのでしょうか……!? 4チームめは、こちらも名門チーム・アプトです。

* * * * *

■第4回 ミュンヘンの高級レストランで発表会。アプト・モータースポーツ

 いよいよDTM参戦のアウディチーム発表会の最後は、アプト・モータースポーツです。

 アプトのファクトリーがあるのは、ケンプテンという南ドイツののどかな小さな町です。しかし、遠方からのゲストのことを考えて、ミュンヘンの高級デリカテッセン『ケーファー』で行われました。私費ではとても行けない高級レストランにウキウキです(笑)。じつはDTM開催時のアウディのホスピタリティも、このケーファーのケータリングを利用しているんですよ。

 とてもおいしい白ワインがウエルカムドリンクとして振る舞われ、それを飲みながらの歓談タイム。続いてレストランの前に展示されたできたてホヤホヤの新アウディRS5 DTMのお披露目と、テクニカルディレクターのフローリアン・モードリンガーとドライバーのニコ・ミュラーのレクチャーが行われました。ただこの日のミュンヘンはものすごく寒くて、ブルブル震えながら聞いていました。

 昨年までのRS5 DTMからするとちょっとワイドになった気がします。それもそのはず、クラス1仕様となり、リヤウイングもスーパーGTと同様にとても幅広くなって、カッコ良くなったからなんですね。モードリンガーによると、90~95%がクラス1の統一パーツでできているので、その残りのわずか5%の限られた範囲で、いかに速く安定した走りができるようにするかがエンジニアとしての最大のチャレンジなのだとか。

 アプトのDTMドライバーはニコ・ミュラーとロビン・フラインス。ふたりともDTMのみならず、フォーミュラEやラリークロス、GT等、さまざまなカテゴリーに挑戦しています。

 ふたりに新しいRS5 DTMで走った感触を聞くと、「約100馬力アップは走り出した途端にすぐに体感し、その走りをエンジョイしたよ」、「去年までのV8エンジンとはラップタイムの違いが飛躍的に反映されると思う」と飛躍的なポテンシャルアップを喜ぶ一方で、「ポテンシャルは上がったもののタイヤのコンパウンドや大きさは去年と同じなので、特にリヤタイヤの消耗が激しいのでそれをどう自分でマネージメントするか……」とハイパワーのなかでワンメイクタイヤを使用するDTMならではの制限に多少のジレンマも。

 ニコは2017年にホッケンハイムで行われたレクサスLC500とニッサンGT-RニスモGT500のデモランでは、マシンに釘付けになっている姿が印象的でしたが、その時の様子を聞いてみると「本当にカッコいいな〜と思っていたんだ」とのこと。「マシンの作りもとても良いし、スーパーGTのタイヤを履いてぜひ走ってみたいね!」と目を輝かせていました。

 一方でロビンは「交流戦開催がやっと叶ったね。これらかはスーパーGTとDTMの主催者にまかせるだけではなく、僕らドライバーやファンも一緒になってクラス1を盛り上げていかないといけないね」とのこと。

「できれば各国数台ずつではなく、富士では両国の全マシンがそろうといいのにな」と期待に胸を膨らませていました。

 アプトのドライバーはふたりともまだ日本には行ったことがないらしく、11月の交流戦のメンバーに選ばれるように「まずは今シーズンのDTMを頑張らないと」と語っていました。

■創業123年の老舗チーム。話は尽きず午前0時まで……

 ご存知のとおり、アプトはフォーミュラEにも参戦しており、この日の発表会にはフォーミュラEのドライバーのダニエル・アプトとルーカス・ディ・グラッシも同席していました。来季からはメルセデスとポルシェが新たに加わり、さらに激化するフォーミュラEが観られそうですね。

 ところで、なぜドライバーたちが野菜売り場の前で写真に納まっているかというと、この『ケーファー』は高級食材店でもあるからなんです。閉店後の売り場で撮影したというワケ。なんだかちょっとミスマッチな感じですが、こんな機会でもないと撮影できないですよね。

 ちなみに精肉売り場には『Wagyu(和牛)』と書かれた超高級な霜降りのお肉も各種取り揃えてありますが、庶民にはとても手が届かない価格でした。この『ケーファー』がある近辺は超高級住宅地のひとつでもあり、近辺に路上駐車されているクルマも錚々たる高級車ばかりですので、需要と供給が合うお店ですね!

 馬車用の鍛冶屋から始まったアプトは創業123年を迎え、フォーミュラEのドライバーであるダニエル・アプトで4代目になる自動車業界ではかなりの老舗です。フォーミュラEの経験を活かして『Abt e-Line GmbH』という独自の電気自動車を開発・製造販売を行う会社も立ち上げ、現在ではフォルクスワーゲン系のチューニング、モータースポーツ、電気自動車の部門に分かれ、ますます成長を続ける会社です。日本にも30年に渡ってチューニングパーツやパフォーマンスカーを輸出していますので、ご存知の方も多いでしょう。モータースポーツ部門のファクトリーは外観からしてオシャレで洗練されていますね!

 ドライバーやチームやアウディとITR関係者、メディア関係者との話は尽きず、お開きになったのは午前0時。会場は私の住むミュンヘン市内にありますので、往復地下鉄で行けてとても便利でしたが、ファクトリーが見られなかったのがちょっと残念でした。またの機会に訪れる日に期待したいと思います。

 というわけで、最後はメインディッシュの写真でどうぞ。シーズンが始まったばかりの白アスパラガスと仔牛のローストでした。読者の皆さま、お付き合いいただきありがとうございました!


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