2019年5月17~19日、フランス・ポーの市街地コースでユーロフォーミュラ・オープン(EFO)の第2大会が実施され、佐藤万璃音(モトパーク)が3位と6位、ホンダ育成ドライバーでレッドブル・ジュニアの角田裕毅(モトパーク)はリタイアと3位、ホンダ育成の名取鉄平(カーリン)は未出走と7位という成績だった。
1933年の初開催から第二次世界大戦中などを除き開催され続け、今年で78回目を迎えた伝統のポーGP。同じ公道レースとして有名なF1モナコGPやF3マカオGPの市街地コースは、開催前に路面を舗装し直したり、縁石を設置するなど、レーシングカーが走行するにあたって入念な準備がなされる。
一方、ポーGPはガードレールやタイヤバリアこそ新設されるものの路面はそのまま。赤白に塗られた縁石らしきものは単なる歩道と車道を分かつ段差で、公道レースが開催されるからといって特別な改修は加えられていない。市街地コースという意味ではモナコやマカオよりもポーのほうが純度は高く、危険性も高い。
■第1大会で優勝した万璃音。レース1で3位表彰台も憮然
EFO開幕大会の決勝レース2で優勝し、意気揚々とポーへ乗り込んできた佐藤。金曜日は雨に見舞われて練習走行1回目は9番手に留まるも、同2回目は盛り返して3番手へ浮上した。
「短いコースで16台がいっせいに走るから、一周で最低1台は遅いクルマに行く手をふさがれる。位置取りや雨の強弱、タイヤを履き替えてプッシュするタイミングもあり、速いタイムを出したくても運に大きく左右されてしまう。せめて明日は乾いた路面で予選を戦いたい」と好天を願っていた。
土曜日はくもり空ながら路面はドライコンディション。佐藤は予選1回目で2番手グリッドを獲得し、決勝レース1でのホールショットを狙った。しかし、スタートで3番手グリッドのチームメイト(ユリアン・ハンゼス)に先を越され3位に留まった。「(路面が)汚れている側のスターティンググリッドだったので加速が鈍った。表彰台に立ったとはいえモトパーク4台中3番目なのでまったくうれしくない」と憮然とした表情を見せた。
日曜日もくもり空ながら路面はドライコンディション。しかし、予選2回目は事故による2回の赤旗中断に加えてセッション終盤は雨が降り始め、誰もが不完全燃焼のままタイムアップ。佐藤は3番手グリッドから決勝レース2での表彰台をふたたび目指した。
一時は止んでいた雨も決勝レース2のスタート直前に雨が降り始めた。グリッド後方ではフォーメーションラップ終了と同時にピットレーンへ駈け込み、スリックからレインへタイヤ交換するドライバーもあった。
佐藤はスタートでチームメイトのリアム・ローソンに抜かれて4番手へ後退、ペースが上がらずトップ3台から徐々に遅れた。エンジニアからの無線でピットへ呼び戻されてレインへタイヤへ交換。11番手まで後退するも、最後は6位でチェッカーフラッグを受けた。「タイヤ交換がスムーズに行っていたら計算上は4位。でも、最悪な状況のなかでポイントを持ち帰れたことはシーズン全体で見れば大きい」と胸をなで下ろしていた。