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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.05.23 12:03
更新日: 2019.07.08 12:21

WTCR:BoPを巡る不協和音でボイコットの可能性も。運営側「必要なデータが不足していた側面はある」

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海外レース他 | WTCR:BoPを巡る不協和音でボイコットの可能性も。運営側「必要なデータが不足していた側面はある」

 5月17~19日に開催された2019年WTCR世界ツーリングカー・カップの第4戦オランダ・ザントフールトでは、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)を巡ってチームとTCRオーガナイザーであるWSCの間で混乱が発生。一時はグリッドに並ぶマシンの半数以上がレースをボイコットする可能性も浮上するなど、シリーズスタート2年目でBoP運用の難しさが浮き彫りとなった。

 チェコ共和国のスロバキアリンクから続けて開催された第4大会ザントフールト戦では、イベント前にBoPが発表され、チャンピオンマシンのヒュンダイi30 N TCRはエンジン出力97.5%、BoPウエイト10kg、コンペンセーションウエイト60kg、最低地上高90mmのBoPを継続。

 一方、前戦スロバキア大会のリバースグリッドからワン・ツーを飾っていたFK8ホンダ・シビック・タイプR TCRは、さらに10kgのウエイト軽減措置を受けコンペンセーションウエイト50kgに。同じくアウディRS3 LMSやセアト・クプラTCRもコンペンセーションウエイト40kgへと引き下げられた。

 ECU変更を経たフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRや、アルファロメオ・ジュリエッタ・ベローチェTCRもコンペンセーションウエイト30kgとされた。ここまでは各チームの許容範囲だったようで問題にはならなかったが、、2019年デビューの新型モデル、Lynk&Co 03 TCRまでもがコンペンセーションウエイト30kgとされたことが最初の火種に。

 さらにWSCのテクニカルグループは、ザントフールト大会のプラクティスを迎える前に追加調整を行い、Lynk&CoのBoPウエイトを30kgから40kgへと増加、ヒュンダイと同じ1335kgのマシン重量にそろえた上で「スロバキア戦ではストレート速度でハンデを追っていた」との判断からエンジン出力を97.5%から100%へと緩和した。

 この結果、Lynk&Coポールスター・シアン・レーシングが最初の予選でトップ4を占拠する事態となった。

 これを受け、少なくとも4チームが「週末のレースには参戦を見合わせる」と、ボイコットの可能性を示唆する事態となり、とあるチーム代表からは「予選で5番手以下がコンマ5秒以上も離されるのは異常事態だ。少なくとも、前戦スロバキアではBoP調整を睨んでスローダウンしていたと考えざるを得ない」との疑念も示された。

イベント前、予選前、予選後と、BoPが二転三転したLynk&Co 03 TCR勢
「前戦で1.5秒後方のマシンが、今はコンマ9秒も前。これじゃBoP選手権だ」と語ったニッキー・キャッツバーグ
R1で3位に入ったミケル・アスコナは、序盤からLynk&Coを追い立てる展開となった


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