南米ブラジル最大の人気を誇るツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの2019年シーズン第4戦が6月8〜9日に同国中南部のロンドリーナで開催され、前戦ペナルティに泣いたチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング)、リカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)のふたりが雪辱のシーズン初勝利。選手権首位のダニエル・セラ(ユーロファーマRC)やルーベンス・バリチェロ(フルタイムスポーツ)はトラブルに泣き、ネルソン・ピケJr.(フルタイムスポーツ)は復調の兆しを見せる連続シングルフィニッシュを果たした。
日本人とドイツ人移民が開墾した都市として知られるパラナ州ロンドリーナに位置し、アイルトン・セナの名を冠するトラックで開催された1戦は、前戦に続いてカミーロが3戦連続となる予選ポールポジションを獲得。
前戦ゴイアニアではポールシッターでありながらジャンプスタートのミスを犯し、トップチェッカー後にリザルトが覆る苦い経験をしているだけに、34歳のカミーロはレース1で慎重を期してスタートを切りながら、穏当に首位をキープ。
その後は2番手のフリオ・カンポス(プラティ-ドナドッツィ・レーシング)との神経戦が展開され、お互いにどれだけマージンを築くか、または削り取るかのタイムバトルが続くと、前戦の雪辱、そして初タイトルに向け執念を燃やすピットウインドウを前にベストラップ連発の走りでスパート。
その直後、カンポスがチームメイトのバルデノ・ブリトー(プラティ-ドナドッツィ・レーシング)にかわされ3番手に陥落したこともあり、カミーロはピット作業後にも安定のトップランでコース復帰し勝負あり。
「この週末はとにかく落ち着いて、冷静に自分たちの仕事をすることに全力で集中した。それこそが重要で、この結果に結びついたと思う」と語ったカミーロが、ポール・トゥ・フィニッシュで今季初勝利を飾ってみせた。
その背後にプラティ-ドナドッツィのブリトー、カンポスが続く表彰台となり、シリーズ連覇中の選手権リーダー、セラも手堅く4位フィニッシュ。強豪シムド・レーシングで2度のタイトル獲得経験を持つフェリペ・フラーガが5位に続き、予選8番手からふたつポジションを上げたピケJr.が4戦連続ポイント獲得となる6位に入った。
続いて1時間のインターバルを経て争われたレース2は、R1トップ10のリバースグリッドが採用され、10位となっていたアッティラ・アブレウ(シェルVパワー・レーシング)がポールスタートに。
しかしこのヒートで主役におどり出たのはレース1で7位に終わっていたセラの僚友マウリシオで、最初のヒート中盤から逆転ポディウムの望みが薄いことを悟ったチームは、ピットストップで多めの燃料補給を実施し、このセカンドレースではショートストップする目論見でセカンドロウ4番手からレースを進めていた。