6月30日、2019年FIA-F2第6戦オーストリアのレース2が開催され、セルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)が優勝、日本の松下信治(カーリン)は5位だった。
日本の松下信治がF2復帰後初、第1レースでは自身初、通算5度目の優勝で湧いたレース1に引き続きレッドブルリンクでレース2は行われた。
28周のスプリントで気温は26℃、路面温度は43℃という条件下。ポールはレース1で8位だったジョーダン・キング(MPモータースポーツ)、2番手にルイス・デルトラズ(カーリン)、ルーキーのチョウ・グアンユー(ユニヴィルトゥオーシ)が3番手。優勝した松下は8番手スタートとなった。
フォーメーションラップで17番手のタチアナ・カルデロン(BWTアーデン)が発進できずピットレーンスタートに。その他のマシンは全車グリッドへ付く。
そして日本時間の18時過ぎにシグナルはオールブラック。各マシン接触などなく1コーナーを過ぎていく。だが、2周目に入る最終コーナー手前の右コーナーで後方の松下らが3ワイドで走行。このバトルで松下は左タイヤをコース外に脱輪してしまい12番手まで後退した。
3周目、ジュリアーノ・アレジ(トライデント)がマシントラブルでエスケープにマシンを逃し、そのままリタイアしている。
スタート直後からトップ5が団子状態で走行し順位が頻繁に入れ替わる展開に。そして3番手を走っていた4番手スタートのセルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)が7周目にトップへ浮上した。
一方でポールスタートのキングはペースに苦戦しズルズルとポジションを下げ8周目には6番手まで後退。キングをパスしたデルトラズが2番手に、グアンユーが3番手を確保しレース中盤へ進んでいく。
上位争いが膠着した16周目、ここまでなかなかツキがなかった9番手スタートのミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)がキングを抜いて6番手にポジションアップ。前を行くニック・デ・フリース(ART)を猛追する。
19周目、2番手のデルトラズがブレーキトラブルでコースオフ、タイヤバリアに突っ込んでしまい、セーフティカー(SC)が導入された。
「ブレーキが踏み抜けたよ。かなり大きな衝撃だった」と無線で答えたデルトラズは自力でマシンを降り、無事に歩行する姿を見せている。
そして23周目にSCが解除。セッテ・カマラを先頭に、SC導入前にグアンユーをパスした2番手ギオット、3番手グアンユーを従えてレースは再開する。
リスタートで勢いを見せたのが松下だ。ターン6の進入でファン-マヌエル・コレア(ザウバー・ジュニアチーム)のインを刺し8番手まで順位を戻すことに成功した。
中団グループでひとりペースのいい松下はニコラス・ラティフィ(ダムス)を25周目の1コーナーで捉え7番手に。翌周には6番手キングを抜き、さらにデ・フリースとシューマッハーに抜かれたグアンユーを立て続けにオーバーテイクし5番手まで駆け上がる。
ファイナルラップに突入する頃には4番手のシューマッハーをも射程圏に捉えた松下。そのシューマッハーはデ・フリースと表彰台をかけた3番手争いを激化させる。
そしてチェッカーフラッグが振られ、セッテ・カマラが今シーズン初優勝。ギオットが2位、デ・フリースが3位に入った。
レース1同様、終盤にレースを大いに盛り上げた松下はシューマッハーとの差を0.4秒まで詰めるが追い抜きならず5位でフィニッシュしている。
ポイントランキングトップはデ・フリースの152ポイント。2番手にニコラス・ラティフィ(ダムス)が115ポイント、3番手はセルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)の107ポイントとなっている。
第4戦イギリスはレース1が7月13日(土)が23:45から、レース2が7月14日(日)の18:00から行われる。
■FIA-F2第6戦オーストリア 決勝レース2 リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap | SP |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | S.セッテ・カマラ | ダムス | 28Laps | 4 |
2 | 8 | L.ギオット | ユニ ヴィルトゥオーシ | 0.563 | 7 |
3 | 4 | N.デ・フリース | ART | 5.536 | 6 |
4 | 9 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | 5.781 | 18 |
5 | 2 | 松下信治 | カーリン | 6.269 | 8 |
6 | 6 | N.ラティフィ | ダムス | 13.230 | 9 |
7 | 16 | J.キング | MPモータースポーツ | 14.095 | 1 |
8 | 7 | Z.グアンユー | ユニ ヴィルトゥオーシ | 15.086 | 3 |
9 | 11 | C.アイロット | ザウバー・ジュニアチーム | 15.659 | 14 |
10 | 12 | J-マヌエル・コレア | ザウバー・ジュニアチーム | 16.607 | 11 |
11 | 3 | N.マゼピン | ART | 18.290 | 12 |
12 | 10 | S.ゲラエル | プレマ・レーシング | 19.486 | 16 |
13 | 18 | T.カルデロン | BWTアーデン | 21.136 | 17 |
14 | 17 | P.オワード | MPモータースポーツ | 22.294 | 19 |
15 | 14 | A.マイニ | カンポス | 22.856 | 20 |
16 | 19 | A.ユベール | BWTアーデン | 24.057 | 5 |
17 | 21 | R.ティベタ | トライデント | 25.302 | 15 |
18 | 15 | J,エイトケン | カンポス | 35.537 | 10 |
— | 1 | L.デルトラズ | カーリン | DNF | 2 |
— | 20 | G.アレジ | トライデント | DNF | 13 |