2019年のWTCR世界ツーリングカー・カップは7月5~7日、ポルトガルのビジャ・レアルで第6大会が行われ、レース3でティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)が怪我から復帰後初となるシリーズ初優勝を母国ラウンドで飾った。レース1はノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR)が、レース2はマイケル・アスコナ(セアト・クプラTCR)が制している。
ビジャ・レアルの市街地サーキットを舞台に争われたWTCR第6大会。このコースでは、途中にあるラウンドアバウトに遠回りセクション“ジョーカーラップ”が設定され、各ドライバーにはレース中1度の通過義務が課されている。
大会前の7月4日にはTCRを統括するWSCグループから最新のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)テーブルが発表され、Lynk&Co 03 TCRの最低重量が1305kgとなったほか、シビック・タイプR TCRとi30 N TCRが1285kg、アルファロメオ・ジュリエッタTCRが1225kg、オペル・アストラTCRが1245kgとなった。
■レース1はヒュンダイのミケリスが独走
現地6日の午前に行われたレース1予選では、ミケリスが従来のコースレコードを0.4秒ほど上回る1分59秒498でポールポジションを奪うと、2番手にアウグスト・ファーフス(ヒュンダイi30 N TCR)が続き、ヒュンダイ勢がフロントロウを独占する。
同日の現地15時15分にスタートした11周の決勝では、ポールスタートのミケリスが一度もトップを譲らない完璧なレース運びでポール・トゥ・ウィンを達成。
シリーズチャンピオンを争うエステバン・グエリエリ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)がエンジントラブルで24位と低迷したこともあり、ミケリスはランキングでの得点差を15ポイントまで縮めてみせた。
■セアト操るアスコナ、レース2でWTCR初優勝
翌7日には、午前中にノックアウト方式の予選、午後に11周のレース2、13周のレース3が行われた。
先に行われた予選ではKCMGのシビック・タイプR TCRをドライブするアッティラ・タッシが、前日塗り替えられたレコードタイムをQ2で更新したほか、Q1~3の全セッションで最速となるなど圧倒的な速さでポールを奪った。リバースグリッドとなるレース2ではマ・キンファ(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)がポールにつけた。
そのレース2では7周目までキンファがレースをリードしたものの、ジョーカーラップ通過時、ライン取りに失敗。大きくタイムロスした間に2番手につけていたアスコナにトップを奪われてしまう。
これで首位に浮上したアスコナは、最終的に4.832秒までリードを広げてトップチェッカー、自身と所属するPWRレーシングにとっての初優勝を掴み取った。
また、このレース2ではランキング2位のミケリスが接触からリタイアしたため、3位表彰台に食い込んだグエリエリが31ポイントまでリードを広げている。