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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.07.31 11:48

インディカー:佐藤琢磨、残り4戦で2019年2勝目なるか。チャンスはポコノとポートランド

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海外レース他 | インディカー:佐藤琢磨、残り4戦で2019年2勝目なるか。チャンスはポコノとポートランド

 2019年のインディカーも第13戦ミド・オハイオを入れて残り5戦。そのミド・オハイオは地形を巧みに利用したテクニカルな常設ロードコースで、佐藤琢磨の好きなコースのひとつ。デビュー年の2010年にはいきなり予選3番手に食い込んでもいる。2年目以降はここで好成績を残せていないが、チャレンジのしがいがあるコースとして琢磨はポジティブに捉え、このコースで戦うことを楽しみにしてきた。

 琢磨は、同じく常設ロードの第3戦バーバーではポール・トゥ・ウインを決め、第10戦ロードアメリカでも予選6番手と速さを見せてきた。ゆえに、ミド・オハイオでは優勝か、それに近い成績を狙えると目されていた。チームメイトのグラハム・レイホールにとっては地元のコースで、15年にはグラハムが優勝。チームとしても好パフォーマンスを期待するのは当然だろう。

 しかし、この週末はふたりともプラクティスで思うように進歩させていくことができなかった。ここまでの苦戦は今季初だ。予選になっても改善の糸口は見つからず、琢磨のグリッドは17番手、レイホールは15番手。そこで彼らは、ブラックタイヤでスタートし、セオリーの3ストップではなく、2ストップの作戦にトライすることにした。

 琢磨は得意のスタートでポジションをアップ。予選11、12番手だったジェイムズ・ヒンチクリフとマーカス・エリクソンの背後に迫る。しかし、バックストレッチエンドのコーナーを抜けたところで、急減速したヒンチクリフを避けようとしたエリクソンと接触、タイヤをパンクさせてしまった。

佐藤琢磨はミド・オハイオで1周遅れの19位と大苦戦を強いられた
佐藤琢磨はミド・オハイオで1周遅れの19位と大苦戦を強いられた

 ピットで再びブラックを装着した琢磨はトップ集団を凌ぐタイムを重ねたが、接触でのパンクによるコースオフで小石を拾い、それが給油口にも入って燃料補給で満タンにすることが不可能になっていた。これで、燃料が90%しか入らない事態に。燃費セーブも併用しての2ストップ作戦は成功させることが難しくなり、1周遅れの19位でフィニッシュした。

 ここ数戦の流れの悪さを象徴するかのようなレースだったが、琢磨のスピード自体は常にトップクラスのものがあり、彼自身も今季2勝目をいち早くあげたいと考えている。

 実際、そのチャンスは充分にあると見ていい。残りは4戦。2.5マイルのポコノ、高速ショートオーバルのゲートウェイ(1.25マイル)、常設ロードのポートランドとアップダウンの激しいラグナ・セカ。そのうち、優勝争いに確実に絡みそうなコースがポコノとポートランドだ。

 ポコノは三角形をしたスーパースピードウェイ。琢磨はポールポジション獲得経験もあり、出場してきたレースのほぼすべてで好パフォーマンスを見せてきた。

 また、今季は高速オーバルのインディ500とテキサスでもスピードを見せており、今季レイホール・レターマン・ラニガンに加入したエンジニアのアレン・マクドナルドの効果が最も現れやすいタイプのコースだ。

 ポートランドは昨年、後方スタートから優勝した内容が圧巻で、どのようなマシンに仕上げることが勝利につながるのか、琢磨には明確なイメージができあがっている。レイホール・レターマン・ラニガンのエンジニアリング部門は今季を迎えるにあたりレベルを一段上げ、シーズンを戦いながらさらなる進歩を遂げてきた。

 もちろん、ペンスキー、ガナッシ、アンドレッティ・オートスポートの3強もレベルアップを果たしているため、琢磨にも一進一退はある。ただ、シーズン終盤のミド・オハイオで、彼らに肉薄するマシンセッティングを苦しみながらもレースまでに完成させられた点は大きい。

 ミド・オハイオで得たものが最終戦で活かされ、高いパフォーマンスを発揮することに期待していいだろう。


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