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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.08.25 18:18
更新日: 2019.08.25 18:21

インディカー第15戦詳報:プレッシャーを跳ね除け佐藤琢磨が価値あるシーズン2勝目を挙げる

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海外レース他 | インディカー第15戦詳報:プレッシャーを跳ね除け佐藤琢磨が価値あるシーズン2勝目を挙げる

 インディカー・シリーズ第15戦ゲートウェイの決勝レースが24日に開催され、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が今季2勝目を挙げた。

 ワールドワイド・テクノロジー・レースウェイ・アット・ゲートウェイがあるのは、イリノイ州マディソン。すぐ西を流れるミシシッピ川を渡ればミズーリ州最大の都市セントルイスだ。全長1.25マイルの非対称オーバルコースと、ドラッグレース場も併設されているモータースポーツパークは、アメリカ中部のモータースポーツのメッカとなりつつある。

 インディカーはCART時代の2000年にゲートウェイでの初レースを行い、2001~2002年はIRLがレースを開催。ところがそこで一旦インディカーのレーススケジュールから外れた。

 2017年にゲートウェイはインディカーのカレンダーに復帰。新しいプロモーターはアメリカ中部で積極的にレース復活を宣伝し、2017年のレースからグランドスタンドには熱気が漂っていた。それは2018年も変わらず、今年は週末が好天に恵まれたことも手伝い、スタンドをほぼ埋め尽くす大勢の観客が集まった。

 インディカーの魅了が一段高まるナイトレース、土曜の夜のスタート、この時期のセントルイスとしては珍しい、暑過ぎない快適な天候がプラスされ、最高の舞台が整った。

ジョセフ・ニューガーデンを先頭にスタート
ジョセフ・ニューガーデンを先頭にスタート

 熱狂的なファンの目の前で248周のバトルを戦い抜いてウイナーとなったのは、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だった。先週のポコノでは1周目にアクシデント。

 その引き金を引いたと非難を集めもしたが、彼が危険なドライビングをしていないことを支持するチームは、走行データを確認し、「琢磨だけが原因ではなく、あれはレーシングアクシデントだった」との見解を主催者のインディカーに提出し、それを公に発表した。

 チャンピオン争いをするアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がリタイアに追い込まれたこともあり、SNSでは賛否両論が飛び交い、ヒステリックな琢磨批判や、心ない投稿もアップされた。

「ペナルティとして1レース、あるいはそれ以上の出場停止をとすべきだ」という声まであった。元インディカーチャンピオンで、現在はテレビの解説者を務めるポール・トレイシーがその先頭に立っていたようなところもあった。

 しかし、インディカーは琢磨にペナルティを科すことはなかった。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの主張、データの提供などもあり、多角的にアクシデントを分析した結果、琢磨だけを責めるのは正しくないと判断したのだ。

 重苦しい思いもしながらゲートウェイ入りした琢磨は、昨年大苦戦をしたコースで予選5位という素晴らしい成績を挙げ、3列目イン側グリッドからスタートを切った。

 今週またアクシデントとなったら何を言われるかわからない。余計なプレッシャーがかかる状況で、琢磨は慎重にスタートを切った。

 そこを突いたジェイムズ・ヒンチクリフ(アロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が1周目のターン1で琢磨のインサイドに飛び込み、オーバースピードでの進入となったことから、バランスを崩して琢磨にヒット。

 スピンに陥りかけた琢磨は外側にいたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とも接触し、非常に危ない状況となったが、何とかクラッシュは避けた。

 しかし、アクセルを緩めた琢磨を多くのマシンを抜いておき、1ラップを終えたところで13番手にまで順位は下がった。せっかく頑張った予選が台無しとなった。

 マシンのハンドリングも想定より悪く、琢磨はさらに後退。1回目のピットストップを早めに行ったことで、1周の周回遅れに陥った。

後方から追い上げを見せる佐藤琢磨
後方から追い上げを見せる佐藤琢磨

■2周遅れからの大逆転


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