オーストラリア大陸の人気ツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの2019年シーズン第10戦が8月24〜25日の週末に開催され、DJRチーム・ペンスキーの王者スコット・マクローリン(フォード・マスタング)が土日ともに勝利を収め連勝。これがフォードにとっての”ザ・ベンド”初勝利になると同時に、マクローリンはシーズン最多勝記録に並ぶ16勝目を飾った。
前戦クイーンズランドに続き、スーパースプリント・フォーマットでの争いとなった第10戦もここまでの展開どおり、今季からシリーズに投入されたフォードの最新Gen2規定モデル、マスタングがすべてのセッションを席巻するスピードを披露。
チャンピオンチームのDJRチーム・ペンスキー、長年フォード陣営でワークス支援を得るティックフォード・レーシングともに、プラクティスから両陣営6台+ワイルドカード1台のマスタングが上位を席巻する展開となった。
すると土曜スプリントに向けた週末最初の予選では、王者マクローリン対抗馬の筆頭候補に挙げられるティックフォードのエース、チャズ・モスタート(フォード・マスタング)が意地を見せる。
コースレコード更新合戦となった10台のQ3で、路面グリップが最高潮に達した最後の最後にパーフェクトラップを決め、1分47秒5227を記録。マクローリンを0.1741秒差でフロントロウ2番手に押しやり、アルバートパーク以来今季3度目のポールポジションを獲得した。
しかし、土曜午後開催の120kmスプリントでは、クリーンサイドからのスタートとなったマクローリンが1コーナーまでにマスタング対決を制しホールショット。すると、4周目には決勝ファステスト記録も更新してチャンピオンが貫禄のレースペースで勝負の主導権を握っていく。
24周の決勝でDJRの王者に喰い下がったモスタートだったが、ピット戦略も含め自力でチャンピオンをオーバーテイクすることはかなわず。7秒のマージンを築いてマクローリンがトップチェッカー。これでフォードとしても、2018年竣工のザ・ベンド・モータースポーツパークでの初優勝を手にすることとなった。
2位モスタートに続き、同じくスタートで3番グリッドのマーク・ウインターボトム(ホールデン・コモドアZB/チーム18)をかわしていたアントン・デ・パスカーレ(ホールデン・コモドアZB/エレバス・モータースポーツ)が自身2度目の表彰台を獲得。そして5位には、このラウンドから空力性能の調整を受け、予選6番手からレースに挑んでいた、ケリー・レーシングのアンドレ・ハイムガートナー(ニッサン・アルティマ)が入っている。