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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.09.09 21:13

小山美姫と日本女子バスケのエース渡嘉敷来夢が初対談。『世界で戦う』女性アスリートが感じた共通点

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海外レース他 | 小山美姫と日本女子バスケのエース渡嘉敷来夢が初対談。『世界で戦う』女性アスリートが感じた共通点

 9月9日(月)、HONDAが支援するアスリートを招いて対談が行われ、WシリーズとFIA-F4に参戦する小山美姫と、バスケットボール女子日本代表の渡嘉敷来夢選手が出席した。

『#USLETE 対談 世界に挑戦する女性アスリート 小山美姫×渡嘉敷来夢』と題して開催されたこの対談では、その名の通り世界を舞台に戦う小山と渡嘉敷選手がそれぞれの経験や苦労、夢に向かって戦うための考え方などを語った。

 表題にもある『USLETE』とは、『us』と『athlete』とかけた造語。モータースポーツや企業スポーツ選手など、ホンダに関わるアスリートたちの挑戦を通じて、誰もが持つチャレンジングスピリットを応援しようというプロジェクトだ。

 まず舞台に登場した小山は、2019年シーズンよりスタートした女性のみのフォーミュラカーシリーズ『Wシリーズ』への参戦結果を報告。彼女にとっても海外シリーズに挑戦するのはこれが初めての経験だったが、全6戦を終えてランキング7位という結果を残した。

小山美姫
Wシリーズをランキング7位で終えた小山美姫

「(5月から8月までの参戦期間は)2週間に1度レースがあり、想像以上にあっという間でした。日本だとレースは1カ月に1回なので。2018年と2017年も毎週レースがあったようなシーズンでしたが、毎週違うカテゴリーに出ていたので、今年のようにフォーミュラに特化してやるのとはまたちょっと違いました」

 ホッケンハイムで行われた開幕戦では、予選で17番手と出遅れたものの、小山は決勝レースで大きく順位を上げて7位に入賞。まずはこのレースを振り返って、次のように話した。

「(開幕戦では)そもそも予選でミスをしてしまったことが失敗でした。追い上げたことがすごいというよりも、失敗したことがよくなかったということがすべてですね。フォーミュラだと順位を上げていくのも難しいですし、予選順位がすごく大事になってくるなかであのように順位を落としてしまったのは、よくないことでした」

「ただ結果的に1年通してやってみると、最初にあのようなことがあってよかったなと思っています。ファステストラップも獲れましたし、予選できちんとした順位をおさえていれば、表彰台に乗ること、優勝することも可能だったと思いますが、可能だったことを不可能にしてしまったことは失敗でした」

「限界に追い込まれた時に、人の強さなどいろいろなものが引っ張り出されると思いますし、そういう開幕戦になったことで力がついたかなと思います」

 今シーズンの自己最高位は、第3戦ミサノでの4位。この時はフリー走行1回目にエンジンから火が出てしまうアクシデントに見舞われたが、予選では6番グリッドにつけ、2つポジションを上げて4位に入賞した。

「練習の時に(エンジンが)燃えてしまい、運がなくなったのかと……。(最初の数周は)自分が想像していた通りのファーストインプレッションで、序盤は3番手くらいだったのですが、ピットインしたら『火がついているぞ』と言われて、ここで私の運は尽きるのかと思いました」

「あのセッションではそれ以降走れなかったですし、そういうところで差が出てしまうんです。たかが13ラップかもしれないけど、その13ラップでは同じコーナーを13回走れて13回試せる。そのぶん相手は成長し、理解していくなかで、私はエンジンが燃えているという現実を見て不安しかなかったです」

「自己最高位を獲れましたが、これが自己最高位というのが悔しかったですね。表彰台に乗りたかったです」

 上述の通り、小山が海外のシリーズに参戦したのは今回が初めてだ。つまりWシリーズが開催されるサーキットでの走行経験はなく、自信や手応えを感じることができなかったという。

「私の場合は、(シリーズが開催される)すべてのサーキットが初めてでした。すでに走った経験を持っているドライバーもいるから、それほど自信はなかったです。過信はよくないけれど、過信でもいいから少しでも『自分はやれる』と思いたくなるような状況でした」

「(フリー走行でも)その時間の枠内で決められたラップ数しか走れないし、そこで差をつけることができないと(遅れを)取り戻すことができないので不安もありました。『いける!』という根拠や手応えはなかったです」

 今シーズンは表彰台獲得が叶わなかったとはいえ、小山はランキング7位という結果を残した。Wシリーズでは、ランキング12位までのドライバーに次の年もシリーズに参戦する権利が与えられることになっており、小山も2020年のWシリーズ参戦権を獲得。来シーズンは、学んだことを活かす年にしたいと意気込みを語った。

「毎年ジェットコースターのようなシーズンですが、そういうのを求めているわけではなくて……。でも、こういうことが多いんです。その度に強くなっているとは思うので、来年も乗れるというのは非常に嬉しいですね」

「今年は“活かす年”にするはずが“学ぶ年”になってしまったので、2020年はその学んだことを活かせる年にしたいです」

■『世界に挑戦する』小山と渡嘉敷選手の共通点とは


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