2019年のWTCR世界ツーリングカー・カップは9月13~15日、中国の寧波国際サーキットで第7ラウンドが行われ、レース1とレース3はイバン・ミューラー(Lynk&Co 03 TCR)が、レース2ではノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR)が、それぞれ優勝を飾った。
7月5~7日にポルトガルで行われた第6ラウンドから、2カ月以上のインターバルを経て行われた第7ラウンドは、ブランパンGTなども行われる寧波を舞台に行われた。
レースに先駆けてTCRを統括するWSCは、フォルクスワーゲンやセアト、アウディ、Lynk&CoのBoP(性能調整)を変更。Lynk&Co勢はブースト特性のBoPに調整が行われている。
14日(土)に行われたレース1では、12番手グリッドにつけていたランキングトップのエステバン・グエリエリ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)の消火器がグリッド上で誤作動するアクシデントが発生してしまう。
グエリエリのマシンは一度ガレージへ戻されると、チームは限られた時間のなかでマシンの修繕を試み、なんとかレースには参加。それでもピットレーンスタートを余儀なくされた。
ポイントリーダーの不運で幕を開けたレース1は、ポールポジションスタートのミューラーと、地元中国のマ・キンファ(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)が付かず離れずのバトルを繰り広げたが、最後までポジションを守ったミューラーがトップチェッカー。2019年シーズン初優勝を飾った。
翌15日(日)に行われたレース2は29台中15台完走というシリーズ史上もっとも荒れた展開に。15周の決勝レースでは序盤でグエリエリ、フレデリック・ベルビシュ(アウディRS3 LMS)、アウグスト・ファーフス(ヒュンダイi30 N TCR)、マ・キンファ、ティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)といった強豪が接触などで相次いで姿を消した。
レースでは11周目までアンディ・プリオール(Lynk&Co 03 TCR)がラップリーダーを務めていたものの、2番手ミケリスとバトルを繰り広げていた隙に3番手ガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイi30 N TCR)が2台をまとめて交わしていく。
すると、チームメイトに続けと言わんばかりにミケリスがプリオールを攻め立てるとプリオールの右リヤにミケリスが追突。体勢を崩したプリオールはそのままクラッシュし、リタイアを余儀なくされる。
これで2番手に浮上したミケリスは13周目にタルキーニを交わすと、そのままトップチェッカー。レース2を制した。なお、レース後に審議が行われたが、ミケリスはお咎めなしとなっている。
迎えた最終レース3はフロントロウを固めたミューラーとヤン・エルラシェール(Lynk&Co 03 TCR)のLynk&Co勢がレースを制圧して、そのままチェッカー。3位にはタルキーニが続く結果となった。
ポイントランキングではレース2を制したミケリスが16ポイントリードでトップに浮上。一方、ランキング首位で寧波に乗り込んだグエリエリは今週末まさかのノーポイントに終わり、ランキング2位へ後退。週末2勝を挙げたミューラーに2ポイント差まで攻め寄られている。
全10ラウンドで構成されている2019年のWTCRは、次戦でついに日本へ上陸。第8ラウンドは10月25~27日に鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラ最終戦と併催される。