9月13~14日に行われた『FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ』第4戦レッドブル・ハンガー7のネイションズカップで、ミカエル・ヒザル(ドイツ)がとうとう勝った。第3戦ニューヨークでイゴール・フラガ(ブラジル)と激しく争い、フラガからその後物議を醸すことになるリフティングを受けて優勝を逃したヒザル。これまでも勝利を目の前にしながら2位に終わることが続いた。
実は今回、フラガがネイションズカップを欠場したためヒザルとの再戦は実現しなかった。フラガはすでにワールドファイナルへの出場権を確保したため、自身のリアルモータースポーツ活動を優先し、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップのテスト走行を優先したからだ。
しかしテストを終えたフラガはネイションズカップ決勝スタート直前に会場へ姿を現し、前回の自分のドライビングについて公式に謝罪、ヒザルも気持ちを入れ替えてレースに臨むこととなった。
フラガのいないネイションズカップでヒザルの前に立ちふさがったのは進境著しい宮園拓真(日本)だった。宮園は前回のニューヨーク大会で奇策3ピットストップ作戦を繰り出し、フラガ、ヒザルのトップ争いに加わるところだった。
しかしコディ・ニコラ・ラトコフスキー(オーストラリア)のラフプレーでコースオフ、惜しくもトップ争いからは脱落していた。
今回、宮園は公式予選でポールポジションを獲得したヒザルの、わずか1000分の2秒に迫るタイムを記録、今回もその速さが健在であること、むしろ速さを増していることを示した。
そして予選3番手には因縁のラトコフスキーが続き、ネイションズカップのワールドツァースターティンググリッドは相変わらずのスーパーハイレベルな顔ぶれとなった。
9月14日、現地時間20時からレッドブルリンクを舞台に、マシンはレッドブルX2019で開催された決勝レースは緊迫した展開となった。上位3台はスタートでソフトタイヤを選択する順当な作戦を選択。スタートの瞬間、宮園は1コーナーに向けてヒザルのイン側に飛び込もうとしたがヒザルはこれをブロック、ヒザル、宮園、ラトコフスキーの順でレースを引っ張り始めた。