レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.09.29 08:44
更新日: 2019.09.29 08:45

FIA-F2第11戦ロシア レース1:フォーミュラE参戦決定のデ・フリースが優勝でシリーズ王座奪取。松下は6位

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


海外レース他 | FIA-F2第11戦ロシア レース1:フォーミュラE参戦決定のデ・フリースが優勝でシリーズ王座奪取。松下は6位

 9月28日、2019年FIA-F2第11戦ロシアのフィーチャーレース(決勝レース1)が開催され、ニック・デ・フリース(ART)がポール・トゥ・ウィンを達成し、最終戦を待たずして2019年シーズンのドライバーズチャンピオンに輝いた。日本の松下信治(カーリン)は6位、佐藤万璃音(カンポス)は16位だった。

 前日の雨予報とは打って変わって晴れ渡ったソチ。気温20度、路面温度24度のドライコンディションで28周のレース1を迎えた。

 ポイントランキングで首位を走るデ・フリースは予選でポールポジションを獲得し現在229ポイントで、2番手のニコラス・ラティフィ(ダムス)は166ポイントと、63ポイントの大差。このレースでデ・フリースが優勝すれば年間王者が確定する。

 スターティンググリッドはデ・フリースを先頭にラティフィ、アイロットと続き、日本の松下は10番手、佐藤は19番手から上位を伺う。なお一回のピットインとミディアム、ソフトタイヤの使用が義務となる。

FIA-F2第11戦ロシア レース1スタートシーン
FIA-F2第11戦ロシア レース1スタートシーン

 現地時間の17:00にレースはスタート。デ・フリースがホールショットを決め松下も一つポジションを上げ9番手に。後方では、スーパーフォーミュラに参戦しこのレースからF2に復帰したアーテム・マルケロフ(BWTアーデン)がターン3のエスケープでストップ。2周目までVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入された。

 4周目、4番手スタートのルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)のペースがよく2番手ラティフィまであっという間に0.117秒差に迫り、これをパス。ファステストラップを刻みながら首位デ・フリースを猛追、翌周にトップへ浮上する。

 後方では松下が猛チャージ。混戦する上位勢をごぼう抜き、1周で3つ順位を上げ、5番手ニキータ・マゼピン(ART)に0.452秒差と攻め立てる。松下の前方では11番手スタートのミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)が驚異的な速さを披露し3番手に。

 タイヤが垂れてしまいペースに悩むソフトタイヤでスタートしたデ・フリース、ラティフィらは7周目に堪らずピットイン。一方ミディアムスタートのシューマッハー、松下らはアンダーカットを狙い猛プッシュする。

 暫定8番手の佐藤まで、まだピットを終えていない状況の12周目、すでにタイヤを変えた9番手のデ・フリースが佐藤を捉える。暫定トップはギオット、以下マゼピン、シューマッハー、松下と続く。松下は5周に渡りシューマッハーの後ろをキープ、抜きあぐねていたが13周目にようやく追い抜きを完了した。

 松下に抜かれるも追走していたシューマッハーが18周目、マシンの右リヤから突如白煙を上げる。プレマは様子を見ながらシューマッハーをステイアウト。だが20周目にピットインしここでレースを終えることに。

 タイヤをマネジメントしながら走行した松下はペースが落ちてきたマゼピンを捉え暫定2番手に浮上。暫定首位のギオットとは11.286秒差となった。

 そして24周目に松下がタイヤ交換のためピットイン、7番手でコースに復帰。首位を走るギオットは翌周にピットイン。これで全車がタイヤ交換を完了させた。

 この時点で順位はトップがデ・フリース、2番手にラティフィ、3番手ルイ・デレトラズ(カーリン)、4番手ギオット、5番手セルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)、6番手に松下となる。

 デ・フリースは後方との差を徐々に広げ、ラティフィと4.308秒差をつけてファイナルラップへ。このまま順位は変わらずデ・フリースがポール・トゥ・ウィンでシーズン4勝目。2019年FIA-F2のドライバーズチャンピオンを掴み取った。

 2位にはラティフィ、3位にはデレトラズが入った。F1参戦に必要なスーパーライセンスを獲得すべくシリーズランキング4位がマストの松下は6位でフィニッシュ、佐藤は16位で完走した。

 デ・フリースはこのレース前に2019/20年ABBフォーミュラE選手権にメルセデス・ベンツからのフル参戦が発表されており、来季に向け弾みのつくシーズンとなった。

 レース後に「(チャンピオンを獲れて)最高にクールだ。何位にいるのか分からず、ファイナルラップにゴールラインを越える前に無線で、今何番手を走っているのか聞いたんだ」とデ・フリース。

「トップを走っている、と伝えられたけれど100%信じることはできなかった。レースで勝てたのはうれしかった。それでも本当に成し遂げたのか半信半疑だったよ」

「パルクフェルメにマシンを止めた時にそれが分かる、とチームは言い、ボードを目の当たりにした時は最高に気持ちよかったし、鳥肌が立ったよ」

 レース2は日本時間9月29日(日)17:20から行われる。

左:ニコラス・ラティフィ(ダムス)、中:ニック・デ・フリース(ART)、右:L.デレトラズ(カーリン)
左:ニコラス・ラティフィ(ダムス)、中:ニック・デ・フリース(ART)、右:L.デレトラズ(カーリン)

ニック・デ・フリース(ART)
ニック・デ・フリース(ART)

松下信治(カーリン)
松下信治(カーリン)

佐藤万璃音(カンポス)
佐藤万璃音(カンポス)

■FIA-F2第11戦ロシア 決勝レース1 リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap Start Pos.
1 4 N.デ・フリース ART 28Laps 1
2 6 N.ラティフィ ダムス 4.918 2
3 1 L.デレトラズ カーリン 5.995 7
4 8 L.ギオット ユニ ヴィルトゥオーシ 7.607 4
5 5 S.セッテ・カマラ ダムス 11.378 6
6 2 松下信治 カーリン 20.364 10
7 15 J,エイトケン カンポス 27.403 12
8 3 N.マゼピン ART 28.572 8
9 11 C.アイロット ザウバー・ジュニアチーム 32.394 3
10 7 Z.グアンユー ユニ ヴィルトゥオーシ 33.756 5
11 10 S.ゲラエル プレマ・レーシング 43.365 13
12 16 J.キング MPモータースポーツ 47.493 9
13 20 G.アレジ トライデント 48.62 14
14 21 R.ボシュング トライデント 59.021 15
15 18 T.カルデロン BWTアーデン 1’09.884 18
16 14 佐藤万璃音 カンポス 1’46.218 19
17 17 M.ラフーナサン MPモータースポーツ 1 LAP 20
18 12 M.イサーキャン ザウバー・ジュニアチーム 1 LAP 17
9 M.シューマッハー プレマ・レーシング DNF 11
22 A.マルケロフ BWTアーデン DNF 16

関連のニュース