9月29日、2019年FIA-F2第11戦ロシアのスプリントレース(決勝レース2)が開催され、ルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)が優勝。日本の佐藤万璃音(カンポス)は15位、大クラッシュに巻き込まれた松下は命に別状はないようだが、背中を強打しているようで病院に緊急搬送。トップも見えたレース展開だったがリタイアすることになってしまった。
レース1同様に晴れ渡ったソチは、気温21.7度、路面温度25.1度のドライコンディションで21周のレース2を迎えた。
リバースグリッドにより先頭はレース1で8位だったニキータ・マゼピン(ART)、以降2番手にジャック・エイトケン(カンポス)、是が非でも優勝したい松下は3番手、4番手にセルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)と続く。そして17:25、レースはスタートした。
1周目、松下とマゼピンが接触し、バリアの緩衝材がコースに散乱するほどの大クラッシュが発生、観衆の脳裏に第9戦ベルギーの悪夢が呼び起こされるとともに、赤旗が即座に掲示される。
ホールショットを奪ったマゼピンだったがターン2でブレーキミスしオーバーシュート、後方の松下はコースに留まり、ターン3を加速して立ち上がる。
このとき、2番手のエイトケンもターン2でオーバーシュートし、ターン3左のエスケープからコースへ戻ろうと加速、しかし同様に後方から加速してきたマゼピンの左サイドに接触。
接触されたマゼピンはコントロールを失い松下の左サイドに接触。なす術なく松下はターン4右のウォールに突き飛ばされ、右フロントから斜めに刺さるように激しくヒット。
コントロールを失った他車に巻き込まれてしまった松下はここでレースを終えることになってしまった。
なお松下とマゼピンは病院に搬送され命に別状はなく、骨折は無かったとFIA F2の公式ツイッターは伝えている。
ドライバーの救護とコース修繕のため約50分の中断を経て、15周のレースとして3周目から再開。ギオットを先頭にカラム・アイロット(ザウバー・ジュニアチーム)、ニック・デ・フリース(ART)、ニコラス・ラティフィ(ダムス)の順に続く。
直後、レース1で年間王者を決めたデ・フリースがアイロットをパスし2番手へ。一方で首位ギオットは1.266秒のリードをつけ逃げ切りを図る。
8周目、ペースの良い上位3台は後方を引き離す。ギオットとデ・フリースは0.627秒差、その0.920秒後方にアイロットがつける。そして4番手セッテ・カマラとアイロットには2.5秒以上の差がついた。
なお同じタイミングでミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)がトラブルでリタイアしている。
デ・フリースは貫禄の走りでギオットを1秒以内の差で猛追。残り3周では0.433秒差にまで詰め寄り、この僅差を維持してファイナルラップへ。
そしてギオットがリードを守りきってトップチェッカー。シーズン3勝目となる優勝を飾った。2位にはデ・フリース、3位にはアイロットが入り、日本の佐藤は15位でフィニッシュしている。
次回、シーズン最終ラウンドとなる第12戦アブダビは約2ヶ月のインターバルを経て11月29〜12月1日に開催される。
■FIA-F2第11戦ロシア 決勝レース2 リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap | Start Pos. |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | L.ギオット | ユニ ヴィルトゥオーシ | 15Laps | 5 |
2 | 4 | N.デ・フリース | ART | 0.712 | 8 |
3 | 11 | C.アイロット | ザウバー・ジュニアチーム | 1.672 | 9 |
4 | 6 | N.ラティフィ | ダムス | 3.383 | 7 |
5 | 7 | Z.グアンユー | ユニ ヴィルトゥオーシ | 3.820 | 10 |
6 | 5 | S.セッテ・カマラ | ダムス | 7.336 | 4 |
7 | 10 | S.ゲラエル | プレマ・レーシング | 10.343 | 11 |
8 | 20 | G.アレジ | トライデント | 13.108 | 13 |
9 | 16 | J.キング | MPモータースポーツ | 14.851 | 12 |
10 | 22 | A.マルケロフ | BWTアーデン | 16.769 | 20 |
11 | 15 | J,エイトケン | カンポス | 23.898 | 2 |
12 | 21 | R.ボシュング | トライデント | 26.558 | 14 |
13 | 12 | M.イサーキャン | ザウバー・ジュニアチーム | 27.414 | 18 |
14 | 1 | L.デレトラズ | カーリン | 31.933 | 6 |
15 | 14 | 佐藤万璃音 | カンポス | 36.472 | 16 |
16 | 18 | T.カルデロン | BWTアーデン | 43.570 | 15 |
17 | 17 | M.ラフーナサン | MPモータースポーツ | 1’01.506 | 17 |
— | 9 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | DNF | 19 |
— | 3 | N.マゼピン | ART | DNF | 1 |
— | 2 | 松下信治 | カーリン | DNF | 3 |