DTMドイツ・ツーリングカー選手権は、より公害の少ない燃料をレースで使用するべく、パートナー企業と新しい燃料の開発に着手すると発表した。10月4~6日に行われる2019年シーズン最終戦ホッケンハイムでは、タクシーライドでこの新型燃料がテストされる。
DTMが開発を宣言した新燃料は、シリーズパートナーである『アラル(Aral)』と共同開発したもので、成分の50%は「廃棄処分されたものから精製された質の高い素材」となっており、従来より30%以上、二酸化炭素排出量を削減できるとしている。
新燃料のパフォーマンスも、現在DTMで使用されているガソリン『アラル・アルティメイト102』と同レベルであると同時に、世界的な基準にもマッチしているとのこと。
すでに試験機でテストが重ねられていると言うが、今後は実際のレースエンジンで使用して、そのパフォーマンスや環境への影響を調査するとしており、開催が迫ったDTMホッケンハイムでは、サーキットタクシーを行う2017年型アウディRS5 DTM、アストンマーティン・ヴァンテージGT4が、この新燃料で走る。
また、2020年シーズンに行われるサーキットタクシーでも、この新燃料が使われる予定だ。
アラル・リサーチのピーター・ザウアーマン代表は「この新しい液体燃料が持つポテンシャルを実際の内燃エンジンでデモンストレーションする。将来的にこの燃料は二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献するだろう」と述べている。
ITRのマネージングディレクター、アヒム・コストロンは「このプロジェクトは将来的に持続可能テクノロジーをDTMに導入することを睨んだ、数多くあるプロジェクトのひとつだ」とコメントした。
「このプロセスでは、もちろんハイブリッドシステムにも注力しているが、よりグリーンな燃料についても視野を広げることになった」
「我々にとって最大の狙いは、ファンに見応えあるレースを届けることだ。しかし、それと同時にモータースポーツとして自動車業界で活用できる新技術を調査したり、競争が激しい環境下で迅速な開発を促したりする使命もある」
「シリーズに参戦している自動車メーカーやテクノロジーパートナーとともに、ITRは将来のDTMマシンに求められる技術仕様の策定に取り組んでいるんだ」