ヒュンダイ・モータースポーツは、ハンガロリンクで同社初となるフル電動ツーリングカー『ヴェロスターN ETCR』のシェイクダウンを敢行。オントラックテストを成功裏に終え、初EVマシンのプログラムを順調にこなしたと発表した。また、ホンダ・シビック・タイプR TCRを製造するJASモータースポーツも、ETCRプラットフォーム用の電動ツーリングカー開発が準備段階にあることを示唆している。
ヴェロスターN ETCRのテストは9月下旬に2日間のスケジュールで実施されたもの。ヒュンダイはステアリングを握ったテストドライバーが誰であるのか、その情報を一切明かしていないものの、車両設計や開発を担当したエンジニアたちが帯同し、ハンガロリンクでのシャシーバランス確認や、ミッドにマウントされた電動モーターの使用方法などが細かくチェックされた。
現在このハンガロリンクは、TCR規定最高峰シリーズのWTCR世界ツーリングカー・カップと、TCRの源流を汲むTCRヨーロッパの両シリーズカレンダーに組み込まれており、4月に開催されたイベントでは、ヒュンダイ所属ドライバーが双方で勝利を飾っている。
ヒュンダイ・モータースポーツでディレクターを務めるアンドレア・アダモは、新型ヴェロスターN ETCRのシェイクダウンテストを、次のようにふり返った。
「新プロジェクト最初のテストは、いつだって重要なマイルストーンになるものだが、このEVツーリングカーに関しては、さらに別の側面で重要な意味を持つステップとなった」
「我々にとって初となるこの電動競技車両は、ミッドシップ・モーターとリヤ駆動を採用した初のシャシーでもある。ここまでi30 N TCRやヴェロスターN TCRで、我々は強力なTCR規定ツーリングカーを世に送り出してきた」
「2020年を前に、このETCR規定向け車両のパッケージについて、より多くを学びたいと考えている」