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海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.10.10 12:25
更新日: 2019.10.11 12:28

STCC最終戦:4台体制を敷いたPWRレーシング、ダールグレンが王座奪還

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海外レース他 | STCC最終戦:4台体制を敷いたPWRレーシング、ダールグレンが王座奪還

 STCCスカンジナビアン・ツーリングカー・チャンピオンシップこと、TCRスカンジナビアの2019年最終戦が10月4〜5日に開催され、スウェーデン最古のトラックであるマントープパークでのタイトル決戦に向け、PWRレーシングSEAディーラーチームは4台体制を構築。エース、ロバート・ダールグレン(セアト・クプラTCR)が見事に王座を獲得し、2017年以来となるチャンピオン奪還を果たした。

 北欧の伝統的ツーリングカー・シリーズがTCR規定を採用して早3年。今季はデンマークでの1戦を含む、スウェーデン国内を軸とした全7戦で争われたシリーズもいよいよ最終戦を迎えた。この週末は、ここまでタイトル争いを牽引してきた初代TCR規定STCC王者のダールグレンが、アウディのブリンク・モータースポーツ勢3台に対しどれだけ対抗できるかが最大の焦点となった。

 1969年創設の古典的トラックでの最終戦を前に、STCCシリーズはコンペンセイション・ウエイトの見直しを行い、そのアウディRS3 LMSとフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRは-10kg、ホンダ・シビック・タイプR TCRのFK2型は-20kgと、それぞれ軽減措置を受けたものの、王者PWRのセアト・クプラTCR勢は60kgを据え置きとされたことで、都合80kgものハンデを抱える厳しい条件での勝負となった。

 この決定を受け、PWRは急遽タイトル争いに向けダールグレンをサポートするべく、2019年はWTCR世界ツーリングカー・カップに挑戦していた共同オーナーのダニエル・ハグロフを投入。4台体制を敷いてマントープパークに乗り込んできた。

 週末の”フローズン・コンディション”となった公式練習から、タイトルへの意欲を見せた元王者ダールグレンが2セッションで最速を奪うものの、予選に入るとやはりウエイトハンデの差は歴然となり、Q1最速はFK2シビックのホンダ・レーシング・スウェーデンby MA:GPのマティアス・アンダーソンが奪取。

 続くQ2では、ダールグレンが1分19秒346と気を吐きタイムボードの最上位へ名前を載せたが、直後に選手権2位の直接的ライバルであるトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS)が1分19秒233を記録しポールポジションの1ポイントを加算。221点のダールグレンに対し、20点差の201点へとマージンを削り、最前列からレース1へと臨む体制を整えた。

 するとスタートでもウエイトハンデの差が如実に効果を現し、3番グリッド発進のアンダーソンがフロントロウのダールグレンを仕留めて、1コーナーまでに2番手に浮上。ブリンクとともにダールグレンを引き離しに掛かっていく。

 そのダールグレンの背後にはハグロフが控え、5番手を走るもう1台のブリンク・モータースポーツ、アンドレアス・ウェルナーソン(アウディRS3 LMS)を徹底したディフェンスラインで封じていく。さらにその後方からはPWRの紅一点、開幕戦で優勝も飾っているミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(セアト・クプラTCR)がテール・トゥ・ノーズでバトルに加わり、挟まれたウェルナーソンはリスクを犯して前に出ることが難しい状況に追い込まれる。

 チームタイトルでは20点差の2位につけるPWRが逆転王座に向けた共同戦線を張る一方、5秒前方で首位バトルを展開したアウディとホンダは、残り数周時点で2番手FK2シビックが再々のパッシングにトライ。マシンを当てられ終盤の最終コーナーでついに陥落したブリンクが首位を明け渡し、わずか0.7秒差でシビックが今季2勝目を奪取した。

WTCRを戦っていたPWR共同代表のダニエル・ハグロフ(右から2人目)がSTCC最終戦にジョイント、4台体制を敷くことに
逆転王座に向け、自らの予選アタックで好機を手繰り寄せたトビアス・ブリンクだったが……
コンペンセイション・ウエイト-20kgの軽減措置を受けたマティアス・アンダーソンが、R1終盤で大逆転勝利を飾った


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