2019年シーズンも残り2戦となったVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第14戦サンダウン500が11月8~10日に開催され、予選レース、メインレースともにレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)のジェイミー・ウインカップ/クレイグ・ラウンズ組(ホールデン・コモドアZB)が制し、週末を完全制覇。そしてペナルティ裁定を巡る混乱のなか、日曜最後尾から9位に入った王者スコット・マクローリン(フォード・マスタング)が2年連続のシリーズチャンピオンに輝いた。
第13戦ゴールドコースト600の日曜予選で、サーファーズパラダイスの高速シケインの餌食となり約43Gものインパクトを伴う大クラッシュを喫した王者マクローリン。
この第14戦に向け自宅静養を続けていたディフェンディングチャンピオンは、DJRチーム・ペンスキーのメンバーに帯同されレースウイークに入ってからメディカル検査を受けると、無事にこれをパス。王座防衛に向け週末のレースへ挑むことを許可された。
シリーズ終盤のレース距離500マイル(約800km)越えのイベントに課される“エンデューロ・カップ”3戦の最終戦にも指定されているサンダウンは、今回も1台のマシンをレギュラードライバーと耐久カップ登録のコドライバーがシェアしての勝負となった。
その耐久カップ・タイトルの掛かる最終戦は、土曜にスプリント方式のクオリファイレース2ヒートが実施され、その初戦はBドライバーのみによる争いに。
その予選でポールポジションを獲得したのは、王者マクローリンとペアを組むアレクサンダー・プレマ(フォード・マスタング)だったが、この2019年シーズンを席巻したDJRチーム・ペンスキーのマシンを駆るフランス人は、雨脚が強まるウエット路面のレース1でペースをつかめず大苦戦。
スタートでフロントロウに並んだ宿敵RBRAのラウンズが1コーナーで首位を奪取すると、すぐ背後では4番グリッドから発進のガース・タンダー(ホールデン・コモドアZB)がジャンプアップし、トリプルエイト・レースエンジニアリングの2台がレースを支配していく。
さらに、20周レースの終盤に見せ場を作ったのもホールデンをドライブする若手で、今季初年度開催のTCRオーストラリアで初代王者に輝いたウィル・ブラウンが、エレバス・モータースポーツの“JPS”カラーをまとうホールデンで怒涛のパッシングを披露。
豪雨となった路面をモノともせず、プレマ、ブライス・フルウッド(ニッサン・アルティマ)、そしてタンダーを仕留めて2位浮上を果たしてチェッカー。ハコ車使いとしての才能を遺憾なく発揮してみせ、RBRAのワン・ツーを阻止すると同時にホールデンが表彰台を独占する結果となった。