VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの2019年最終戦ニューキャッスル500が11月22~24日に開催され、土曜レース1をシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアZB)が、続く日曜シーズンフィナーレをジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB)が制し、レッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)勢が2020年の逆襲を予感させる“パーフェクト・ウイークエンド”を達成した。
2019年にデビュー以降、VASCを席巻するスピードを見せつけたフォードの新兵器『マスタング・スーパーカー』は、すでに第14戦サンダウン500でDJRチーム・ペンスキー、スコット・マクローリンの手でチャンピオンを獲得。マクローリンにとっても2018年のファルコンFG-Xに続きドライバーズタイトル連覇を果たし、年間最多勝記録も18に更新するなど記録ずくめのシーズンとなった。
その陰で苦戦を強いられたホールデン・ファクトリーチームであるRBRA、トリプルエイト・レースエンジアリングは、この一大観光地で開催されるシリーズファイナルの市街地戦で一矢報いるべく、金曜から強力なペースを披露する。
プラクティス、予選と“セブン・タイムス・チャンピオン”のウインカップがセッション最速の座を譲らず、レース1に向けたグリッドを確定するトップ10シュートアウトへ進出すると、チームメイトのSVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが予選暫定10番手から奇跡のアタックを敢行。
その予選ではマシンセットに苦しみ、チーム18のマーク・ウインターボトム(ホールデン・コモドアZB)との勝負でからくも10番手タイムを記録してトップ10シュートアウト挑戦権を得たSVGは、ブレイクの間に大きくセッティングを変更。ウインカップの暫定予選ポールタイムを上回る1分10秒1747を記録し、宿敵マクローリンを退けて見事に週末最初のポールポジションを獲得した。
すると土曜午後のレース1は、その優位性を活用したSVGが今季4勝目を達成。スタートではフロントロウに並んだ新王者のマクローリンにノーズ分ほどわずかに先行されるも、インサイドを守って首位を堅持し、そのロスをついた3番グリッドのウインカップも続き、RBRAの2台がワン・ツー・フォーメーションを形成する。