FIA-F2再挑戦中の松下信治が、最終戦アブダビのレース1で2位表彰台を獲得した。しかし優勝したセルジオ・セッテカマラが選手権4位を確定し、F1スーパーライセンスに必要なポイントを確保した一方で、松下の同じ望みはこのレースで潰えてしまった。とはいえ松下自身は、「自分の持てる力を出しきれたレース」であり、「これまでで最高のシーズンを過ごせた」と、晴れ晴れとした表情で語った。
──スタートは、どんな感じでした?
松下:周りはみんなオプションだったので、相対的に蹴り出しがよくなかった。僕自身、いつもよりちょっとホイールスピンさせ過ぎましたしね。
それでひとつ順位を落としたんですけど、裏ストレートのブレーキングで抜き返しました。ブレーキには、自信がありましたから。その後はオプション勢のタイヤがすぐ垂れてきて、ピットに入って行った。そうやって僕がトップに立ってからは、できるだけタイヤを持たせる走りに専念しました。
でもタイヤは、きつかったですね。フロントがすぐに厳しくなることはわかっていたんですが、予想よりもさらにきつかったです。それでもチームメイトより、それを予想したセットアップをしていたので、それがレース終盤の差になったと思います。
──レース前、チームと戦略について話し合った?
松下:チームメイトがオプション→プライムで行くとわかっていたので、だったらその逆しかないなと。少しリスクはありますけど、セーフティカーとかのハプニングが起きなければ、チャンスはあるかと。
──オプションタイヤは、持ちが悪いことはわかっていた?
松下:ええ。でも終盤は、意外に持ちましたね。なのでもっと早く交換してもよかったかもしれません。といっても、せいぜい1周ぐらいですけど。レース中の運転自体は特に悪くなかったし。いいレースができたと思います。
ダムスは、やっぱり速かったですね。初日からずっと、いい仕上がりで来ていました。でも明日のスプリントのレース2は、十分勝負できると思います。